デイサービスの「栄養改善加算」の要件の見直し~栄養改善が必要と思われる者は多い?~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

昨日のブログで「自立の支援には低栄養の予防が重要」であることをお伝えしましたが、そもそも低栄養状態の人がいるのでしょうか?

デイサービスの経営者の方は、どう思われますか?

デイサービスの事業所の一部には、栄養改善サービスが必要と思われる利用者はいないという認識

デイサービスの事業所の一部には、栄養改善加算を算定しない理由の一つとして、「栄養改善サービスが必要と思われる利用者がいない」としています。

【栄養改善加算を算定しない理由 (複数回答)】

栄養改善加算を算定しない理由

出典:第140回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成29年6月7日)

一方、厚生労働省は次の通り「栄養改善が必要と思われる者は多い」としており、デイサービスの事業所との認識のズレが生じています。

厚生労働省の根拠になっている調査報告を見てみましょう。

「低栄養傾向の者が一定数存在する」と主張する厚生労働省の根拠

厚生労働省の調査により、デイサービスの利用者のうちBMI(※)が18.5未満の人が、おおよそ4人に1人の24%いるという結果になっています。

(※)BMIとは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数で、18.5未満は低体重(痩せ型)状態とされています。

また、別の調査ではデイサービスの利用者のうち38.7%が、「低栄養」又は「低栄養リスクあり」という結果になっています。

画像の説明

出典:第140回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成29年6月7日)

以上の調査結果から、厚生労働省はデイサービスの利用者のうち、栄養改善が必要と思われている者は多いとしています。

厚生労働省はデーサービスの事業所との認識のズレについて、その理由について触れていませんが、デイサービスは利用者に対して、栄養改善の適切な取り組みを行っていないという疑いを持っています。

厚生労働省がデイサービスにおいて、「低栄養のリスクアセスメントや栄養改善の取り組みが適切に行われていない可能性がうかがえる」という認識を持っている以上、今回の介護報酬の改定で何らかの栄養改善加算の見直し等が行われると考えられます。



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