共生型サービスの創設の趣旨

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

現行制度では、介護保険事業所としての指定を受けていれば、市町村の判断で障害福祉サービスを同一の事業所でサービスを提供することができます。

例えば、「富山型デイサービス」は、高齢者、障害児者などの多様な利用者に、同一の事業所が一体的にサービスを提供しています。

【富山型デイサービス】

富山型デイサービス

出典:第142回社会保障審議会介護給付費分科会

新たに共生型サービスが位置付けられる

しかし、障害福祉サービス事業所として指定を受けていても、現行制度上はその事業所が市町村や都道府県の判断で、介護保険サービスを提供することはできません。

そうなると障害者が65歳以上になり要介護認定や要支援認定を受けて、介護保険サービスの提供を受けたいと思っても、今までの障害福祉サービス事業所から別の介護保険サービス事業所へサービスの提供を受ける先を変えなければなりません。

今まで使い慣れた障害福祉サービス事業所を変えるということは、利用者にとって大変な精神的な負担になると予想されます。

そこで今回の介護報酬改定において、障害福祉サービス事業所でも、介護保険サービスを提供することができるようにするためには、どの様な基準がいいのか、報酬はいくらにするかなどが議論されています。

画像の説明
出典:平成28年度全国厚生労働関係部局長会議(全体会議・厚生分科会)資料

介護事業者のビジネスチャンスになるか、脅威になるか

なお、 介護保険給付費分科会においては、障害福祉事業所が介護保険事業所としての指定を受ける場合の基準と、この事業所を高齢者が利用した場合の介護報酬を検討することになっています。

一方、介護保険事業所が障害福祉事業所としての指定を受ける場合の基準と、この事業所を障害児者が利用した場合の障害報酬は、社会保障審議会障害者部会等で検討されることになっています。

介護事業者の方は、介護給付費分科会ではなく、社会保障審議会障害者部会等の情報を入手し、障害福祉サービスを提供するかどうか検討して下さい。

介護事業者にとって、今回の「共生型サービス」が創設されたことによって、新たなビジネスチャンスになのか、それとも障害福祉事業者が介護事業に進出するキッカケになって脅威になのか、またまったく影響がないのか、非常に関心があることだと思います。

どの様な基準になるのか、どの様な報酬になるのか、厳しい基準なのか、それとも緩い基準になるのか?また報酬は採算性があるのかどうか?など基準や報酬が明らかになった段階で決断しなければなりません。



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