介護老人保健施設の現状と報酬改定の論点

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護老人保健施設(老健)とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とした施設であり、先般成立した地域包括ケア強化法による介護保険法の改正において、その役割をより明確にされました。

病院に入院して治療を終えたら、自宅に戻るのが普通ですが、高齢者の方の中には、すぐ自宅に戻るのが困難な人がいます。

そこで、病院から在宅復帰するまでの中間施設としての、6ヶ月ぐらい集中的にリハビリするために老健があります。

しかし、半年でリハビリを終えて自宅に戻るはずが、老健に5年も6年も入居している事例があります。

こうなると老健は特養と同じになり、「特養化した老健」と言われます。

「特養化した老健」は社会保障費を増加させますので、国は在宅復帰させるため報酬を上げるなどの対策を行っています。

【介護老人保健施設の基準】
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出典:第144回社会保障審議会介護給付費分科会資料

介護老人保健施設の請求事業所数

介護老人保健施設の請求事業所数は、下図の通り平成19年には3,445事業所でしたが、平成28年には4,201事業所と増加傾向です。

介護老人保健施設の請求事業所数

介護老人保健施設の受給者数

介護老人保健施設の受給者数も平成19年は309.2千人でしたが、平成28年には359.4千人へと増加しています。

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介護老人保健施設の介護報酬改定における論点

8月4日に開催された介護給付費分科会において、介護老人保健施設における論点として次の3点が挙げられています。

○ 介護老人保健施設における在宅復帰・在宅療養支援の役割機能をより強化していく観点から、報酬体系の簡素化にも配慮しつつ、その機能の評価の在り方について、どのように考えるか。

○ 通所・訪問リハビリテーションにおいて、心身機能へのアプローチのみならず、活動・参加にも着目したリハビリテーションを推進する観点から、リハビリテーションマネジメントの強化を評価していることを踏まえ、介護老人保健施設で提供されるリハビリテーションの在り方についてどのように考えるか。

かかりつけ医との連携を含め、介護老人保健施設で提供される医療について、どのように考えるか。

明日以降のブログで、上記論点を一つずつ説明していきます。



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