介護サービスの質を評価する指標
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
厚生労働省は次の様に、介護サービスの質の評価として、ストラクチャー評価、プロセス評価、アウトカム評価のうちアウトカム評価が適切であると結論付けています。
介護サービスの質の評価については、ストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つの視点に分類でき、特に、「より効果的・効率的な介護サービスの提供に向けた取組を促すには、利用者の状態改善等のアウトカム(結果)の観点からの評価を活用することが適している」とされている。
アウトカムで介護サービスの質を評価するにしても、要介護度の改善だけで評価することは、先日のブログでも書きましたが次の様な問題があり、厚生労働省は「要介護度改善≠自立支援」との考えであると思われます。
- 評価時点の設定の困難性
高齢者は身体・精神機能の悪化・改善を繰り返すことが多く、評価する時点によって全く異なった判定となり得ることから、評価時点の設定が困難である。 - アウトカムに影響する要因の多様性
事業所の努力や責任の及ばない要因の影響(例えば、家族や本人の努力)により、高いアウトカムが得られることがあり、アウトカムが事業所のサービスの質を反映しているとは限らない。 - 多様なサービス提供による判定の困難性
居宅サービスの利用者は、様々なサービスを組み合わせて利用している場合が多く、要介護度や自立度等の指標が改善したとしても、提供される介護サービスの中のどのサービスが効果的であったかの判断が困難である。
介護サービスの質を評価する指標について明示されず
要介護度改善を評価の指標としないとしても、それでは何を指標として介護サービスの質を評価するかについては、8月23日に開催された介護給付費分科会では明らかにされませんでした。
国に先行して一部の地方自治体では、介護サービスの質を評価する指標(評価項目)を次の様に定め、インセンティブを付与しています。
- 東京都品川区
要介護度 - 神奈川県川崎市
【アウトカム指標(チーム単位)】
要介護度
ADL(独自調査方法) - 岡山県岡山市
【ストラクチャー指標】
①外部研修への参加状況
②岡山市主催の研修会の参加回数
③認知症高齢者の受け入れ人数
④機能訓練指導員の常勤換算人数
⑤介護職員のうち介護福祉士の常勤換算人数
【アウトカム指標】日常生活機能評価
国は介護サービスの質を評価する指標として、どのような指標を採用するのか、今の段階では不明ですが、10月以降の介護給付費分科会で、具体的な評価指標が出てくると思われます。
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