小規模の報酬には4.4％の含み益がある
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
度々、ブログで取り上げていますが、小規模の報酬は通常規模より12％高く設定されています。
その理由は、小規模は通常規模に比べて給与費以外の減価償却費やその他の経費が高いからです。
この様に、厚生労働省は説明しています。
そして、厚生労働省は平成26年の調査で、次の表を公表して小規模は通常規模より経費が7.6％高いと指摘しています。
出典：平成27年3月3日全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料
この7.6％が正しいかどうか分かりませんが、一般的に規模のメリットによって、規模が大きくなるにしたがって売上に比べて経費の比率は下がっていきます。
したがって、小規模は通常規模に比べて、経費の比率が高くなるのは当然の結果と言っていいでしょう。
小規模は通常規模より経費が7.6％高いのに、報酬は12％高い
ところが、厚生労働省は小規模の報酬を通常規模より7.6％高く設定していません。
常識的に考えたら、小規模は通常規模より経費が7.6％高いのだから、報酬も7.6％高くすればいいところ、12％も高く設定しています。
これは、なぜでしょうか？
激変緩和があったのではないかと思います。
今回の小規模の報酬は約10％ダウンしました。
さらにこれ以上報酬を下げると影響が大きいと考えたのでしょう。
すなわち、報酬改正後の小規模の報酬は、通常規模より割高な経費7.6％を超えて12％高く設定されていることになります。
12％━7.6％＝4.4％の含み益が小規模の報酬には含まれているのです。
小規模の報酬は3年後に5％ダウンの可能性がある
小規模の報酬に4.4％の含み益が含まれているということは、3年後の報酬改定で小規模すなわち地域密着型通所介護の報酬を厚生労働省が下げたいと考えれば、その根拠として取り上げられる可能性があります。
すなわち、3年後の報酬改定で厚生労働省は、「小規模の報酬は含み益4.4％があるので、適正・公正に評価しなければならない。」として、4％～5％ダウンするかもしれません。
次回報酬改定で小規模は4％～5％ダウンしてもおかしくないのです。
a:2350 t:2 y:0
松本会計メルマガ登録
下記のすべてをご入力いただき、「確認」ボタンを押してください。