共生型サービス事業所の創設は、新たなデイサービスの競合相手か?
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
共生型サービス事業所の創設が、検討されています。
共生型サービス事業所は、障害福祉サービス事業所等が介護保険事業所の指定を受けやすくする特例を設けることにより、高齢者と障害児者が同じ事業所でサービスを受けられるようにするものです。
デイサービスにとって共生型サービス事業所の創設は、障害福祉サービス事業所がデイサービスに進出することを可能とし、新たな競争相手が出現することになります。
出典:平成28年度全国厚生労働関係部局長会議(全体会議・厚生分科会)資料
現行の課題
今は、障害児者は障害福祉サービス事業所等でサービスの提供を受け、高齢者は介護保険事業所でサービスの提供を受けています。
それぞれ指定基準が異なるため、同一の事業所で障害児者に障害福祉サービスを提供し、高齢者に介護保険サービスを提供することはできません。
しかし、
- 障害者が高齢者になって介護保険のサービスの提供を受ける場合は、制度的に障害福祉サービス事業所から介護保険事業所へ利用する事業所を変更しなければならず、馴染みの事業所の利用を継続することはできません。
- また生産人口が減少し、障害福祉サービスや介護保険サービスの担い手を確保することが困難になってきています。同一事業所で両方のサービスが提供できれば、効率的となります。
デイサービスにとってもビジネスチャンス
図中に、次の記載があります。
障害福祉サービス事業所等であれば、介護保険事業所の指定を受けやすくする特例を設ける。※逆も同じ。
「※逆も同じ。」とは、デイサービスが障害福祉サービスの指定を受けやすくなるということです。
すなわち、デイサービスが障害福祉サービスの指定を受け、高齢の障害者に障害福祉サービスを提供し、その高齢者が要介護認定を受けたら介護保険に切り替えることによって、同一事業所で継続してサービスの提供を行うことができるようになります。
このことは、デイサービスにとって障害福祉サービスを提供することは、利用者の囲い込みをすることになり、長期にわたってサービスを提供することができるメリットがあります。
障害者の一生を同一事業所でみるビジネスモデル
18歳までは放課後等デイサービス⇒19歳からはグループホームと就労支援⇒高齢者になって要介護認定を受けたら介護保険
この様に障害児者の一生を同一事業所や同一グループ会社でみていくビジネスモデルは、長期に安定した収入を得られる可能性があります。
特にスタートである18歳以下の放課後等デイの事業所は、19歳以上にもサービスの提供ができるように体制を整えることを考えてもいいのではないでしょうか?