療養通所介護が共生型サービスに位置づけられる?

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

療養通所介護は、難病等を有する重度要介護者又はがん末期の者であって、サービス提供にあたり常時看護師による観察が必要なものを対象とし、療養通所介護計画に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うものです。

地域密着型通所介護に係る基準の創設

療養通所介護は、平成28年4月から市町村指定の地域密着型サービスに移行しました。

【療養通所介護の概要】

療養通所介護の概要

療養通所介護は全国85ヶ所、大阪4ヶ所

私は療養通所介護をまだ見たことがなく、その存在すら知りませんでした。

療養通所介護は、ほとんどお目にかかることがないほど少なく、全国で療養通所介護の請求事業所数は85ヶ所で、平成24年以降は概ね横ばいです。

デイサービスが全国で3万ヶ所以上あることと比べると、圧倒的に少ない数です。

そのため、療養通所介護事業所があるのは30都道府県だけで、ない都道府県も17あります。

ちなみに大阪府は、4事業所しかありません。

この様に介護保険の中では、療養通所介護の存在感は薄いですが、今回の第141回社会保障審議会介護給付費分科会において、「共生型サービス」として位置付けるべきであるという意見が、介護給付費分科会の委員から出されたことで、今後の議論が注目されます。

共生型サービス

今回の介護報酬改定のテーマの一つとして、「共生型サービスの指定基準の検討」が挙げられています。

介護保険と障害福祉サービスを一つの事業所で、一体的にサービス提供することを想定した「共生型サービス」を新たに位置付け様とするものです。

具体的には、障害福祉サービス事業所等が介護保険事業所の指定も受けやすくするもので、その際の指定基準等について、今回の介護報酬改定で議論される予定です。

療養通所介護は介護保険のサービスですが、児童発達支援事業を併設している事業所が増えていることもあって、「共生型サービス」として位置付けるべきであるという意見が、介護給付費分科会の委員から出ています。

画像の説明
出典:平成28年度全国厚生労働関係部局長会議(全体会議・厚生分科会)資料

療養通所介護は児童発達支援事業の併設が増えている

平成27年度老人保健健康増進等事業「看護・介護のケアミックスによる療養通所介護事業の適切な実施に関する調査研究事業」によりますと、回答した35件の療養通所介護事業所において、うち11件が「児童発達支援」「放課後等デイサービス」等の障害福祉サービスを実施しているという調査結果が公表されています。

障害児通所支援等の届出状況
出典:第141回社会保障審議会介護給付費分科会

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