「お泊りデイ」に関する情報を集めてみました。
大阪府における指定通所介護事業所等で提供する宿泊サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準
http://www.pref.osaka.jp/jigyoshido/kaigo/otomarikijyun.html
厚労省が2011年度モデル事業の結果を公表(平成24年9月5日)
厚生労働省は「平成23年度デイサービス利用者の宿泊ニーズ等に関する調査事業(モデル事業)の結果について」を9月5日に公表しました。
調査結果を要約すると、次の通りです。
モデル事業の実施自治体・実施事業所 | ①モデル事業は、15自治体、20事業所で実施。 ②調査対象月の1月当たりで96名が利用。 |
宿泊サービスの利用者像 | ①利用者の平均要介護度は2.9、認知症自立度ではⅡ以上が92.1%。 ②独居又は高齢者のみ世帯の割合は34.6%、他は家族との同居世帯。 |
宿泊サービスの利用状況 | ①1回当たりの利用日数については、1泊2日の利用が68.5%。 ②利用者1人当りの利用回数は、1月当りで1回の者が35%と最多。 ③宿泊サービス利用の申込みは、2週間以上前からの予約が72.3%。 |
事業所における宿泊サービス提供の実態 | ①宿泊サービスの提供は、調査月で5日以下の事業所が47.3%と最多。 ②宿泊費用の利用者負担は、平均で1,500円。 ③宿泊サービス提供日1日当たりの利用者数は、平均で1.73人/日。 |
宿泊サービス提供事業所の設備の状況 | ①95%の事業所で、自動火災報知設備など何らかの防火設備が設置。 ②宿泊時の1人当たり面積は、75.0%の事業所が7.43㎡(4畳半程度)以上を確保した。 |
宿泊サービスをどのように考えているかⅠ | ①利用者の家族は、利用者の家族の状態やニーズにより宿泊サービスを利用したいが57.5%。 ②ショートステイが利用できる場合であっても、慣れ親しんだデイサービスでの宿泊を積極的に活用したいと考えている家族やケアマネジャーが多い。 |
宿泊サービスをどのように考えているⅡ | ①宿泊サービスの利用により、非常に介護負担の軽減になり在宅生活継続の助けになると利用者家族の63.2%が考えている。 ②宿泊サービス未利用者の家族について、62.4%が今後は利用したいと考えている。 ③ケアマネジャーの86.6%が宿泊サービスの利用を勧めたいと考えており、特に、認知症高齢者に勧めていきたいと考えている割合が49.2%となっている。 |
ショートステイとの比較 | ①宿泊サービスを利用した利用者は、高い割合で今後もショートステイではなくデイサービスでの宿泊を利用したいと考えている。 ②デイサービスでの宿泊がショートステイと比べて良いと思われている最大の理由は、「普段から利用しているサービス事業所である」となっている 。 |
宿泊サービス利用による効果 | ①宿泊サービスを利用した結果、ご本人の状況の変化としては「安心した様子で過ごしている場面が増えた」が利用者家族では31.0%、ケアマネジャーでは47.5%となっている。 ②宿泊サービスを利用した結果、利用者家族の感じた利用者家族の状況の変化としては「睡眠や気分転換のための時間が確保できた」「外出し、用事を済ませることができた」が最も多く、それぞれ28.7%となっている。 |
ショートステイや宿泊サービスへの要望 | ①ショートステイへの要望は、緊急時の受け入れが最も多く、41.0%を占める。また、利用申込みについても多くのケアマネジャーが課題があると感じている。 ②ケアマネジャーの58.5%がデイサービスでの宿泊を介護保険の対象とすべきと考えており、40.6%が介護保険外で対応すべきと考えている。 |
事業者から見た課題等 | ①勤務ローテーションについては、多くの事業所が課題があると感じている。 ②全ての事業所が、介護の質が向上するなど何らかの効果があると感じている。 ③45%の事業所が、コストパフォーマンスが悪いなど経営面での課題を感じている。 ④一方、40%の事業所が、利用者数が増加すれば一定の事業モデルが構築できると考えている。 |
大阪府福祉部高齢介護室介護事業者課へのインタビュー記事(平成24年9月25日)
高齢者住宅新聞2012.9.25号に、大阪府の「お泊りデイ」(保険外で宿泊サービスを提供するデイサービス)について、府福祉部高齢介護室介護事業者課へのインタビュー記事がありました。
そこで、その内容を要約しました。
- 大阪府内のデイサービスの全事業所にアンケートを実施した結果、121事業所が「お泊りデイ」を展開していると回答しています。
- 事業所数の1位は日本介護福祉グループで、そこ以外では、1~2ヶ所の「お泊りデイ」を運営する小規模事業者が多い。
- 東京都と異なる点は、「お泊りデイ」の定義が東京都では「月に5日以上宿泊サービスを提供している」としていますが、大阪府は「1日でも宿泊サービスを提供している」としています。
- また、東京都は「お泊りデイ」を届出対象としていますが、大阪府は届出制にはしていません。
- 大阪府は届出制にしていないので、今回のルールの周知徹底は、実地指導などの際に、ルールを示し、その遵守を指導する。
- 既存のデイサービス事業者に対する説明会など開催は現状では予定していない。
- 事業者が遵守することが難しいのは、宿泊サービスの連続利用上限30日だが、これが徹底されるには、高齢者が在宅で生活できる環境の整備なども同時に進めていく必要がある。
- 新規でデイサービスを開設する場合、宿泊サービスの提供に関する報告義務はない。ただし、事業者から宿泊サービス提供の話しがあれば、ルールの提示・説明・指導は行う。
- ルールを守らない事業者については、法的な拘束力のない自主ルールなので、デイサービスの指定取消などの対象にはならない。
大阪府の「お泊りデイの基準(案)」についての意見等と大阪府の考え方
「大阪府における指定通所介護事業所等で提供する宿泊サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(案)」についての府民意見等の概要及びそれらに対する大阪府の考え方が公表されています。
大阪府の「お泊りデイ」の指定基準(案)(平成24年7月12日)
「大阪府における指定通所介護事業所等で提供する宿泊サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(案)」が平成24年7月12日に公表されました。
東京都がデイの宿泊サービス基準を正式公表( 平成23年4月28日)
東京都は平成23年4月28日、通所介護事業所が提供する宿泊サービスに関する独自基準を正式に公表しました。
宿泊サービスの実態把握や質の向上などが狙いで、事業所に対して宿泊サービスに関する情報などの届け出を求め、その届出内容ついて宿泊サービスの利用及びケアプランの作成の参考にするため、平成23年7月1日より宿泊サービス事業所の公表がされています。
新聞記事
日本経済新聞(夕刊) 2012年(平成24年)12月5日(水曜日)
読売新聞 2012年(平成24年)3月18日(日曜日)
読売新聞 2012年(平成24年)3月18日(日曜日)
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