以下は、平成24年介護報酬改定の内容です。
介護老人福祉施設
改定のポイント
基本報酬は、ユニット型、個室、多床室の順に明確な単位の格差が設けられ、特に多床室は3%のマイナス評価となりました。
このことは、今後のユニット化推進の方向性がより一層明確になったと言えます。
加算に関しては、認知症の症状が悪化し在宅での対応が困難になった場合の受入を評価した、認知症行動・心理症状緊急対応加算の新設。
日常生活継続支援加算の算定要件の変更が行われました。
改定前後の比較 ユニット型(1)
現行 | 改定後 | 差額 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 669 | 659 | ▲10 | ▲1.4% |
要介護2 | 740 | 720 | ▲11 | ▲1.4% |
要介護3 | 810 | 802 | ▲8 | ▲0.9% |
要介護4 | 881 | 872 | ▲9 | ▲1.0% |
要介護5 | 941 | 941 | 0 | 0 |
改定前後の比較 個室
現行 | 改定後 | 差額 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 589 | 577 | ▲12 | ▲2.0% |
要介護2 | 660 | 647 | ▲13 | ▲2.0% |
要介護3 | 730 | 719 | ▲11 | ▲1.5% |
要介護4 | 801 | 789 | ▲12 | ▲1.5% |
要介護5 | 871 | 858 | ▲13 | ▲1.5% |
改定前後の比較 多床室(従来)
現行 | 改定後 | 差額 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 651 | 630 | ▲21 | ▲3.2% |
要介護2 | 722 | 699 | ▲23 | ▲3.2% |
要介護3 | 792 | 770 | ▲22 | ▲2.8% |
要介護4 | 863 | 839 | ▲24 | ▲2.8% |
要介護5 | 933 | 907 | ▲26 | ▲2.8% |
改定前後の比較 多床室(新設)
現行 | 改定後 | 差額 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 651 | 623 | ▲28 | ▲4.3% |
要介護2 | 722 | 691 | ▲31 | ▲4.3% |
要介護3 | 792 | 762 | ▲30 | ▲3.8% |
要介護4 | 863 | 831 | ▲32 | ▲3.7% |
要介護5 | 933 | 898 | ▲35 | ▲3.8% |
改定の概要
介護老人福祉施設
改定前
(例1)介護福祉施設サービス費
介護福祉施設サービス費(Ⅰ)
従来型個室 | |
要介護1 | 589単位/日 |
要介護2 | 660単位/日 |
要介護3 | 730単位/日 |
要介護4 | 801単位/日 |
要介護5 | 871単位/日 |
介護福祉施設サービス費(Ⅱ)
多床室 | |
要介護1 | 651単位/日 |
要介護2 | 722単位/日 |
要介護3 | 792単位/日 |
要介護4 | 863単位/日 |
要介護5 | 933単位/日 |
(例2)ユニット型介護福祉施設サービス費
ユニット型介護福祉施設サービス費(Ⅰ)
ユニット型個室 | |
要介護1 | 669単位/日 |
要介護2 | 740単位/日 |
要介護3 | 810単位/日 |
要介護4 | 881単位/日 |
要介護5 | 941単位/日 |
ユニット型介護福祉施設サービス費(Ⅱ)
ユニット型準個室 | |
要介護1 | 669単位/日 |
要介護2 | 740単位/日 |
要介護3 | 810単位/日 |
要介護4 | 881単位/日 |
要介護5 | 941単位/日 |
改定後
入所者の重度化に対応し、施設の重点化・機能強化等を図る観点に立って、要介護度別の報酬を設定。
また、ユニット型個室、従来型個室、多床室の報酬水準を適正化。
(例1)介護福祉施設サービス費
介護福祉施設サービス費(Ⅰ)
従来型個室 | |
要介護1 | 577単位/日 |
要介護2 | 647単位/日 |
要介護3 | 719単位/日 |
要介護4 | 789単位/日 |
要介護5 | 858単位/日 |
介護福祉施設サービス費(Ⅱ)
多床室 | |
要介護1 | 630単位/日 |
要介護2 | 699単位/日 |
要介護3 | 770単位/日 |
要介護4 | 839単位/日 |
要介護5 | 907単位/日 |
介護福祉施設サービス費(Ⅲ)(新規)
多床室 | |
要介護1 | 623単位/日 |
要介護2 | 691単位/日 |
要介護3 | 762単位/日 |
要介護4 | 831単位/日 |
要介護5 | 898単位/日 |
※算定要件
(介護福祉施設サービス費(Ⅱ)(Ⅲ))
介護福祉施設サービス費(Ⅱ)については、平成24年4月1日以前に整備された多床室(同日において建築中のものを含む。)であることとし、介護福祉施設サービス費(Ⅲ)については、同日後の新設された多床室であること。
(例2)ユニット型介護福祉施設サービス費
ユニット型介護福祉施設サービス費(Ⅰ)
ユニット型個室 | |
要介護1 | 659単位/日 |
要介護2 | 729単位/日 |
要介護3 | 802単位/日 |
要介護4 | 872単位/日 |
要介護5 | 941単位/日 |
ユニット型介護福祉施設サービス費(Ⅱ)
ユニット型準個室 | |
要介護1 | 659単位/日 |
要介護2 | 729単位/日 |
要介護3 | 802単位/日 |
要介護4 | 872単位/日 |
要介護5 | 941単位/日 |
認知症行動・心理症状緊急対応加算(新規)
新規
認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受け入れについて評価を行う。
下記の要件に該当する場合 200単位/日
※算定要件
医師が認知症の行動・心理症状が認められるため、在宅での生活が困難であり、緊急に介護福祉施設サービスを行う必要があると判断した者に対して、介護福祉施設サービスを行った場合(入所した日から起算して7日を限度として算定可能とする。)。
日常生活継続支援加算
入居者の重度化への対応を評価する。
22単位/日 → 23単位/日
※算定要件
(次のいずれかの要件を充たすこと。)
- 入所者のうち、要介護4若しくは要介護5の者の占める割合が入所者の70%以上であること。
- 認知症日常生活自立度Ⅲ以上の者の占める割合が入所者の65%以上であること。
- たんの吸引等(※)が必要な利用者の占める割合が入所者の15%以上であること。
(※)たんの吸引等
口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう又は腸ろうによる経管栄養及び経鼻経管栄養
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)