大阪府 平成23年度 介護保険事業所に対する主な指導事項

居宅サービス事業者・居宅介護支援事業者共通事項

設備に関する事項

設備・備品について

○ケースファイル等の個人情報の保管状態が不適切である。

(ポイント)
個人情報の漏洩防止のため、保管庫は施錠可能なものとし、中のファイルなどが見えないようにすること。


運営に関する事項

運営規程について

○介護予防サービス事業にかかる運営規程が整備されていない。(居宅介護支援は除く)
○介護予防に関する運営規程の内容が要介護者に対する運営規程と同じ内容になっている。

重要事項説明書について

○「重要事項説明書」に、運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情相談の窓口、苦情処理の体制及び手順等の利用申込者がサービスを選択するために必要な事項が記載されていない。

(ポイント)重要事項説明書に記載すべき内容
① 事業者、事業所の概要(名称、住所、所在地、連絡先など)
② 運営規程の概要(目的、方針、営業日時、利用料金、通常の事業の実施地域、提供するサービスの内容及び提供方法など)
③ 管理者氏名及び従業者の勤務体制
④ 提供するサービスの内容とその料金について
⑤ その他費用(交通費など)について
⑥ 利用料、その他費用の請求及び支払い方法について
⑦ 高齢者虐待防止について
⑧ 秘密保持と個人情報の保護(使用同意など)について
⑨ 事故発生時の対応(損害賠償の方法を含む)
⑩ 緊急時の対応方法(居宅介護支援は除く)
⑪ 苦情処理の体制及び手順、苦情相談の窓口、苦情・相談の連絡先(事業者、市町村:利用者の保険者、大阪府国民健康保険団体連合会など)※事業の実施地域の市町村窓口を把握しておくこと
⑫ サービス内容の見積もり(サービス提供内容及び利用者負担額のめやすなど)(居宅介護支援は除く) *確認ができれば別途料金表の活用も可
⑬ 事業者、事業所、利用者(場合により代理人)による説明確認欄⑭ (別紙)居宅介護支援業務の実施方法等について(居宅介護支援のみ)



※以下は参考です。事業所の実情に合わせた内容にしてください。

(記載例)⑦【高齢者虐待防止について】
事業者は、利用者等の人権の擁護・虐待の防止等のために、次に掲げるとおり必要な措置を講じます。
研修等を通じて、従業者の人権意識の向上や知識や技術の向上に努めます。
個別支援計画の作成など適切な支援の実施に努めます。
従業者が支援にあたっての悩みや苦労を相談できる体制を整えるほか、従業者が利用者等の権利擁護に取り組める環境の整備に努めます。

(記載例)⑧【秘密保持と個人情報の保護(使用同意など)】
事業者及び事業者の使用する者(以下「従業者」という。)は、サービス提供をする上で知り得た利用者及びその家族の秘密を正当な理由なく、第三者に漏らしません。また、この秘密を保持する義務は、サービス提供契約が終了した後においても継続します。
事業者は、利用者から予め文書で同意を得ない限り、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いません。また、利用者の家族の個人情報についても、予め文書で同意を得ない限り、サービス担当者会議等で利用者の家族の個人情報を用いません。

(記載例)⑨【事故発生時の対応】
当事業所が利用者に対して行う(指定を受けたサービス名を記載)の提供により、事故が発生した場合には、速やかに利用者の家族・市町村等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じます。 また、当事業所が利用者に対して行った(指定を受けたサービス名を記載)の提供により、賠償すべき事故が発生した場合には、損害賠償を速やかに行います。

(記載例)⑩【緊急時の対応方法】
サービス提供中に、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに主治の医師への連絡を行う等の必要な措置を講じるとともに、利用者が予め指定する連絡先にも連絡します。

(記載例)⑪【苦情処理の体制及び手順】
苦情又は相談があった場合は、利用者の状況を詳細に把握するため必要に応じ訪問を実施し、状況の聞き取りや事情の確認を行い、利用者の立場を考慮しながら事実関係の特定を慎重に行います。相談担当者は、把握した状況を管理者とともに検討を行い、当面及び今後の対応を決定します。対応内容に基づき、必要に応じて関係者への連絡調整を行うとともに、利用者へは必ず対応方法を含めた結果報告を行います。(時間を要する内容もその旨を翌日までには連絡します。)



○「重要事項説明書」と「契約書」が一体となっており、分離されていない。
○契約を行った後で重要事項の説明を行っている。
○重要事項の説明を行った際の利用申込者の署名する理由が「説明を受けました」となっておらず「サービス提供開始に同意しました」となっている。

(ポイント)
「重要事項説明書」は利用申込者が事業所を選択するために重要な事項を説明するためのものであるので、契約書と分離し、まずは重要事項の説明を行うこと。その後、利用申込者等がサービス提供を希望する場合に契約を行うこと。



○「重要事項説明書」と「運営規程」の記載(営業日時、サービス内容、通常の事業の実施地域、サービス提供の内容など)が相違している。

(ポイント)
・ 運営規程の内容を基本にして整合させること。
・ 運営規程の内容を変更する場合は、大阪府に変更届が必要。



○介護予防サービス事業にかかる「重要事項説明書」が作成されていない。
○利用者が要介護から要支援、又はその逆に変更になった場合に、改めて説明が行われていない。

(ポイント)
利用者が受けようとするサービスを明確にし、それぞれのサービス内容、利用料等の記載に漏れがないよう留意すること。


身分証明書の携行について

○事業所の従業者である旨の証明書が作られていない。(訪問介護(予防)・訪問入浴(予防)・訪問看護(予防)・訪問リハビリテーション(予防)・居宅療養管理指導(予防)・福祉用具貸与(予防)・特定福祉用具販売(予防))

(ポイント)身分証明書に記載すべき内容
事業所の名称、従業者の氏名を記載するものとし、当該従業者の写真や職能の記載を行うことが望ましい。



○介護支援専門員登録証明書(携帯用)又は介護支援専門員証を携行していない。(居宅介護支援のみ)

自己評価について

○提供するサービスについて自己評価を行っていない。

(ポイント)
・ 少なくとも年に1 回は定期的に自己評価を行う。
・ 自己評価は、管理者等が一人で行わず、事業所全体で取り組む。
参考:居宅事業者課ホームページ「様式ライブラリー」(ホームページに掲載されていないサービス事業を運営されている事業者の方については、訪問介護等の様式を参考に作成してください。)


勤務体制の確保について

○翌月の勤務予定表が前月末までに作成されていない。
○勤務予定表が事業所ごとに作成されていない。
○勤務予定表に管理者の勤務予定が記載されていない。
○勤務予定表に従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、職種、兼務関係などが明記されていない。
○非常勤職員(登録型の訪問介護員を含む。)について勤務予定の管理を行っていない。

(ポイント)勤務予定表について

  1. 管理者を含む全ての従業者を記載し、事業所ごと、月ごとに作成すること。
  2. 従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、職種、管理者との兼務関係などを明記すること。なお、登録型の訪問介護員等については、確実に勤務できるものとして管理者が把握している時間を明記すること。
  3. 障害者自立支援法における事業を一体的に事業管理している場合は、それらの従業者も含めること。

勤務予定表


○雇用契約書もしくは労働条件通知書等により当該事業所管理者の指揮命令下にあること及び職務の内容が明確にされていない。

(ポイント)
常勤・非常勤を問わず、従業者に労働条件(雇用期間、就業場所、従事する業務(兼務の職務)、勤務時間等)を書面で示すこと。(労働条件通知書・雇用契約書等を作成し、交付する)
法人代表、役員が管理者、サービス提供責任者等の常勤従業者となる場合も、就業場所、従事する業務、勤務時間等を明らかにすること。


従業者の資質向上のための計画的な研修の実施及び記録について

○計画的に実施されていない。
○研修(内部、外部を含む)の実施記録等が保存されていない。

(ポイント)
年間計画などを策定し、実施後は資料等も含め、記録を残すこと。


衛生管理等について

○管理者が従業者(非常勤職員含む)の健康診断の結果を把握し、記録を残すなどの方法により、必要な管理を行っていない。
○感染症予防マニュアルを整備し、従業者に周知するなど感染症予防に必要な措置をとっていない。

重要事項の掲示について

○事業運営にあたっての重要事項の掲示がされていない。
○事故発生時の対応、秘密保持、個人情報の保護、苦情相談の窓口、苦情解決の体制及び手順などが欠落している。
○「運営規程」のみを掲示している。
○介護予防サービス事業に係る重要事項が掲示されていない。(居宅介護支援は除く。)
○事業所の見やすい場所に掲示されていない。

(ポイント)
1.掲示すべき内容(項目は重要事項説明書と同じ)
① 運営規程の概要(目的、方針、営業日時、利用料金、通常の事業の実施地域、サービス提供方法など)
② 従業者の勤務体制
③ 秘密保持と個人情報の保護(使用同意など)について
④ 事故発生時の対応(損害賠償の方法を含む)
⑤ 苦情処理の体制及び手順、苦情相談の窓口、苦情・相談の連絡先(事業者、市町村:事業実施地域全て、大阪府国民健康保険団体連合会など)
2.事業所内の見やすい場所に掲示すること
受付コーナー、相談室等利用申込者等が見やすいよう工夫して掲示すること。
掲示が無理な場合は、利用者等誰もが閲覧できるように、ファイル等に入れて相談室等に立てかけておくこと。


従業者の秘密保持について

○従業者の在職中及び退職後における、利用者及びその家族の個人情報に関する秘密保持について、事業者と従業者間の雇用契約、就業規則、労働条件通知書、誓約書等で取り決めが行われていない。
○取り決めが行われている場合であっても、秘密保持の対象が、「利用者及び利用者の家族の個人情報」であることが明確になっていない。

個人情報の使用同意について

○サービス担当者会議等において、利用者及びその家族の個人情報を用いることについてそれぞれから文書による同意が得られていない。
○利用者の家族から使用同意を得る様式になっていない。(家族代表だけでは不充分です。)

(ポイント)
家族の個人情報を使用する可能性もあるため、利用者だけでなく家族についても記名できる様式にしておくこと。


苦情処理について

○苦情処理に関する記録様式(処理簿、台帳等)が作成されていない。
○苦情処理の内容が記録様式に記録されていない。
○「その後の経過」、「原因の分析」、「再発防止のための取組み」が記録されていない。
○事業所として、「再発防止のための取組み」が行われていない。
○国保連の苦情処理に関する助言・指導に協力しない。

事故発生時の対応について

○事故・ひやりはっとに関する記録様式(報告、台帳等)が作成されていない。
○事故・ひやりはっと事例報告が記録様式に記録されていない。
○「その後の経過」、「原因の分析」、「再発防止のための取組み」が記録されていない。
○事業所として、「再発防止のための取組み」が行われていない。
○損害賠償保険の加入又は賠償金の積み立てを行っていない。
○市町村等に報告していない。

(ポイント)
事故の状況等によっては、市町村等への報告を行うこと。
参考:「介護保険事業所等での事故発生時の報告等の取扱いについて(通知)」


高齢者虐待の防止について

○高齢者虐待の防止に関する取組みがされていない。(運営規程・重要事項説明書にも条項の追加)

(ポイント)
事業者は従業者に対して研修の機会を提供するなど高齢者虐待の防止に関する取組みを行う必要がある。
大阪府の認知症・高齢者虐待防止関連サイト
http://www.pref.osaka.jp/kaigoshien/gyakutai/index.html


会計区分について

○介護保険事業と他の事業(介護予防サービス事業も別事業)の経理・会計が区分されていない。

(ポイント)
事務的経費等についても按分するなどの方法により、会計を区分すること。


変更届等の提出について

○変更届出書が提出されていない。
(専用区画、管理者、サービス提供責任者、介護支援専門員、運営規程など)

(ポイント)
変更した日から10日以内に提出すること。なお、複数回にわたって変更が発生した場合でも、変更事実の発生日ごとに変更届を作成すること。《届出事項によっては郵送での受付が可能。》
参考:(郵送等の区分については、介護保険事業者支援センターのホームページを参照。)


○休止、廃止の届出が提出されていない。
(基準を満たせない状況になった、法人の事業として廃止したいなど)

・ 利用者がいる場合は、他の事業所に引き継ぐことが必要。
・ 介護保険施設内に開設している居宅サービス事業所の場合は、当該施設に係る変更届や別途変更許可が必要となる場合があるので、事前に施設担当課に問い合わせること。


介護報酬等の請求に関する事項

特定事業所加算・サービス体制強化加算等、平成21年度新規加算について

○算定要件を満たしていない。(各サービスの要件等については以下サービスごとに記載)

※算定要件
介護保険事業者支援センターホームページを参照のこと。
http://www.fine-osaka.jp/kaigohoken/youshiki/kasan-todoke.htm


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