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寄付に対して返礼品を提供する場合の受取寄金計上の可否

寄付に対して返礼品を提供する場合、受取寄付金として計上することができるでしょうか?それとも受取寄付金に計上できず、物品販売の対価(事業収益)として処理しなければならないのでしょうか?

「寄付」の定義

そもそも「寄付」とは、

  1. 支出する側に任意性があること、
  2. 直接の反対給付がないこと
    という要件を備えているものです。

寄付を受取った場合にお礼として返礼品をお返しすることがありますが、そのとき上記2番目の「直接の反対給付がないこと」の要件を満たすかどうかが問題になります。

NPO 法人が感謝の気持ちとして返礼品を提供することは、寄付者とNPO法人とのコミュニケーションを広げ、NPO 法人の支援者を増やしていくことにつながりますので、返礼品があることをもって、直ちに「直接の反対給付がある」ということにはなりません。

しかし、次の場合にはNPO法人が行う寄付活動が、返礼品の提供による資金の獲得を意図している活動と推定される場合があり、こうした場合には、寄付金として処理することはできず、物品販売の対価(事業収益)として処理することになります。

  1. 返礼品の金銭類似性、換金可能性、一般的な使用価値が高い場合
  2. 返礼品がNPO 法人の活動とは関連性がほとんどない場合
  3. 寄付額に対する返礼品の調達価格の割合(返礼割合)が高い場合

返礼品の金銭類似性や換金可能性が高い場合や、一般的な使用価値が高い場合

プリペイドカード、商品券、貴金属など金銭類似性が高いものや、電気・電子機器、家具など、一般的に使用ができて使用価値が高かったり、転売によって換金することが容易である場合には、実質的に寄付のキックバックになり、寄付の感謝の気持ちを形にして示す返礼品としてはふさわしくないと考えられます。

返礼品がNPO 法人の活動とは関連性がほとんどないものである場合

特に、使用価値や転売による換金可能性が高いものであって、NPO 法人の活動と関連性がほとんどない場合には、返礼品は感謝としての気持ちの表明ではなく、返礼品の提供によって入金を得ようとしているものと推定される可能性があります。

寄付額に対する返礼品の調達価格の割合(返礼割合)が高い場合

また、社会通念に照らして、NPO 法人が受取る寄付金の額と比較して、返礼品の調達価格が高い場合には、返礼品提供によって入金を得ようとしているものと推定されてしまうことがあります。


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