訪問介護

平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)


所要時間20分未満の身体介護中心型の算定

問2 20分未満の身体介護中心型を算定する場合のサービス内容はどのようなものなのか。

(答)
20分未満の身体介護の内容については、在宅の利用者の生活にとって定期的に必要となる排泄介助、体位交换、起床・就寝介助、服薬介助等の短時間サービスを想定しており、従前どおり単なる本人の安否確認や健康チェック、声かけ等のサービス提供の場合は算定できない。
また、高齢者向けの集合住宅等において、単に事業所の効率の向上のみを理由として、利用者の意向等を踏まえずに本来20分以上の区分で提供すべき内容の身体介護を複数回に分け提供するといつた取扱いは適切ではない。

問3 「概ね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算する」とあるが、20分未満の身体介護中心型を算定する場合にも適用されるのか。

(答)
20分未満の身体介護に限り、前後の訪問介護との間隔が概ね2時間未満であっても、所要時間を合算せず、それぞれのサービスの所要時間に応じた単位数が算定される。
なお、20分未満の身体介護の前後に行われる訪問介護(20分未満の身体介護中心型を算定する場合を除く。) 同士の間隔が概ね2時問未満の間隔である場合には、それぞれの所要時間を合算するものとする。
(例)下図の場合、20分未満の身体介護(170単位)と、(A)と(B)を合算した所要時間(80分)に応じ、1時間以上1時間30分未満の身体介護(584 単位)がそれぞれ算定されることになる。

問3


問4 身体介護について、「特別な事情により複数の利用者に対して行う場合は、1回の身体介護の所要時間を1回の利用者の人数で除した結果の利用者1人当たりの所要時間が(4)にいう要件を満たすこと。」とされているが、具体的な取扱いはどのようになるのか。

(答)
身体介護を、特別な事情により複数の利用者に対して同時に行う場合は、全体の所要時間を1回の利用者数で除した結果の利用者1人当たりの所要時間に応じた所定単位数をそれぞれの利用者について算定することとする。
この計算の結果、利用者1人当たりの所要時間が20分未満となる場合は、サービス提供の時間帯にかかわらず、訪問介護費の算定はできないこととする。 例えば、1人の訪問介護員等が3人の利用者に対して食事介助及び自立生活支援のための見守り的援助を30分にわたり同時に行った場合は、利用者1人当たりの所要時間が10分(=30分÷3人)であるが、20分未満の身体介護中心型を、それぞれの利用者に算定することはできない。
なお、「特別な事情」の具体的内容は特に規定しておらず、利用者個々人の身体状況や生活実態等に応じて判断されたい。

※ 平成15年Q&A)(vol.1)(平成15年5月30日)訪問介護のQ1及び平成21年Q&A)(vol.1)(平成21年3月23日)問23は削除する。

問5 20分未満の身体介護中心型については、「引き続き生活援助を行うことは認められない」とされているが、利用者の当日の状況が変化した場合に、介護支援専門員と連携した結果、当初の計画に位置付けられていない生活援助の必要性が認められ、全体の所要時間が20分を超えた場合であっても同様か。

(答)
20分未満の身体介護に引き続き生活接助を行うことを位置付けることはできない。
なお、排泄介助の提供時に失禁によりシーツ交換やべツド周辺の清掃が必要となった場合等においては、介護支援専門員とサービス提供責任者が連携を図り、介護支援専門員が認める(事後の判断を含む。)範囲においてサービス内容の変更を行い、変更後のサービス内容に応じた所要時間に基づき、所要時間20分以上の身体介護又は生活援助として算定すること。

間6 日中における20分未満の身体介護中心型については、要介護3以上の
利用者にのみ算定可能とされているが、 サービス提供後に要介護認定の更新又は区分変更の認定が行われ、 サービス提供前に遡って要介護度1又は2となった場合、認定の効力発生日以降の所要時間20分未満の身体介護中心型の算定はできないのか。

(答)
要介護1又は2の利用者に対して提供された日中における20分未満の身体介護については保険給付の対象とならず、全額利用者の自己負担となる。
したがって、サービス開始時にその旨を利用者等に十分に説明するとともに、 サービス担当者会議において、利用者の要介護認定の有効期間及び利用者の区分変更申請の意向等について十分に確認した上で居宅サービス計画及び訪問介護計画を作成すること。

問7 日中における20分未満の身体介護中心型については、サービス担当者において「概ね1週間に5日以上、所要時間が20分未満の指定訪問介護が必要であると認められた利用者」についてのみ算定可能とされているが、短期入所生活介護等の利用により、1週間訪間介護の提供が行われない場合は算定できないのか。

(答)
「1週間に5日以上、所要時間が20分未満の指定訪問介護が必要であると認められた利用者」とは、排泄介助等の毎日定期的に必要となるサービスの提供が必要となる者を想定しており、当該必要となるサービスについて他のサービス等で代替が可能であれば、必ずしも1週間のうちに5日以上、 短時間サービスを実際に提供しなければならないという趣旨ではない。

問8 日中における20分未満の身体介護中心型を算定する場合、「指定定期巡回・ 随時対応型訪問介護看護事業所の指定を併せて受ける計画を策定しなければならない。」とあるが、所在地の市区町村が定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定について公募制度を採用している場合、要件を満たすことができるか。

(答)
事業所所在地の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定の状況等にかかわらず、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の実施のための計画を策定していれば算定は可能である。

生活援助の時間区分の見直し

問9 今般の生活援助の時間区分の見直しにより、従前の60分程度や90分程度の生活援助は提供できなくなるのか。

(答)
今般の介護報酬改定により、生活援助の時間区分が20分以上45分未満と45分以上の2区分と見直されたが、これは必要なサービス量の上限等を付したわけではなく、利用者個々の状況に応じた介護支援専門員とサービス提供責任者による適切なアセスメント及びケアマネジメントに基づき、利用者のニーズに応じた必要な量のサービスを提供するべきであることは従前どおりである。
また、この見直しにより、これまで提供されてきたサービスを利用者の意向等を踏まえずに、新たな時間区分に適合させることを強いるものであってはならず、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、見直し以前に提供されていた60分程度のサービスや90分程度のサービスを45分以上の生活援助として位置付け、見直し後も継続して提供することは可能である。
また、必要に応じて見直し以前に提供されていたサービスに含まれる行為の内容を再評価し、例えば、1回のサービスを午前と午後の2回に分けて提供することや、週1回のサービスを週2回とする等、より利用者の生活のリズムに合わせた複数回の訪問により対応することも可能である。
※ 平成18年Q&A(VOl,2)(平成18年3月27日)問27は削除する。

問10 生活援助における「買い物」サービスについて、利用者宅に訪問するための移動中に商品を購入することは可能か。

(答)
訪問介護においては、居宅において提供されるサービスとして位置付けられており、生活援助における「買い物」サービスを行う場合、訪問介護員等は利用者の自宅に立ち寄ってから、購入すべき食品又は日用品等を利用者に確認し、店舗に向かうこととしてきたが、前回訪問時あるいは事前の電話等により利用者から購入すべき商品を確認した上で、事業所等から店舗に向い、商品を購入後、利用者の居宅に向かうことができるものとする。
なお、この場合の訪問介護の所要時間については、店舗での買い物に要する標準的な時間及び利用者の居宅における訪問介護に要する標準的な時間を合算したものとすること。

サービス提供責任者の配置基準の見直し

問11 サービス提供責任者については、利用者40人ごとに1人以上とされたが、サービス提供時間や訪問介護員等の員数に応じた配置はできないのか。

(答)
平成24年度以降は、サービス提供時間や訪問介護員等の員数にかかわらず、前3月の平均利用者が40人ごとに1人以上のサービス提供責任者を配置する必要がある。
ただし、平成24年3月31日に指定を受けていた事業所に限り、平成25 年3月31日までの間は、改正前の基準である月間の延べサービス提供時間450時間ごと又は訪問介護員等の員数10人ごとに1人以上のサービス提供責任者を配置することも可能としている。

生活機能向上連携加算

問12 生活機能向上連携加算について、訪問看護事業所の理学療法士等にサービス提供責任者が同行する場合も算定要件を満たすか。

(答)
満たさない。生活機能向上連携加算の算定は指定訪問リハビリテーション事業所の理学療法士等が指定訪問リハビリテーションを行った際にサービス提供責任者が同行した場合に限る。

特定事業所加算

問13 特定事業所加算の体制要件として、サービス提供責任者が訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けることとされているが、毎回のサービスごとに行わなければならないのか。

(答)
サービス提供責任者は、サービス提供前に訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、事後に訪問介護員等からの報告を適宜受けることとしているが、下図AからCまでに示す場合については、サービス提供責任者が文書等による事前の指示を一括で行い、サービス提供後の報告を適宜まとめて受けることも可能である。

問13


問14 特定事業所加算の重度要介護者等対応要件に、「たんの吸引等の行為を必要とする利用者」が含まれたが、たんの吸引等の業務を行うための登録を受けた事業所以外はこの要件を満たすことができないのか。

(答)
登録事業所以外であっても、要介護4以上又は認知症自立度Ⅲ以上の割合が20%以上であれば、重度要介護者等対応要件を満たす(登録事業所に限り、たんの吸引等の行為を必要とする利用者を重度要介護者等対応要件に関する割合の計算に当たり算入できる。)
なお、「たんの吸引等の行為を必要とする利用者」とは、たんの吸引等の行為を当該登録事業所の訪問介護員等が行うことにつき医師の指示を受けている者をいう。

問15 特定事業所加算の重度要介護者等対応要件における具体的な割合はどのように算出するのか。

(答)
重度要介護者等対応要件の利用者の割合については、利用実人員又は訪問回数を用いて算定するものとされているが、例えば下記のような場合、前三月の平均値は次のように計算する(前年度の平均値の計算についても同様である。)。

問15

(注)一体的運営を行っている場合の介護予防訪問介護の利用者に関しては計算には含めない。
(注2)利用者Gについては、たんの吸引等の業務を行うための登録を受けた事業所のみ算入可能。
(注)例えば、利用者H、I、Jのように「要介護度4以上」、「認知症自立度Ⅲ以上」 又は 「たんの吸引等が必要な者」 の複数の要件に該当する場合も重複計上はせず、それぞれ「1人」又は「1回」 と計算する。


① 利用者の実人数による計算

  1. 総数(利用者Bは2月の利用実績なし)
    10人(1月)十9人(2月)十10人(3月)=29人
  2. 重度要介護者等人数(該当者B,F,G,H,I,J)
    6人(1月)十5人(2月)十6人(3月)=17人
    したがって、割合は17人÷29人≒58.6%≧20%


    ② 訪間回数による計算
  3. 総訪問回数
    79回(1月)十63回(2月)十75回=217回
  4. 重度要介護者等に対する訪問回数(該当者B,F,G,H,I,J)
    61回(1月)十48回(2月)十59回(3月)=168回
    したがって、割合は168回÷217回≒77.4%≧20%

なお、上記の例は、人数・回数の要件をともに満たす場合であるが、実際には①か②のいずれかの率を満たせば要件を満たす。
また、当該割合については、特定の月の割合が20%を下回ったとしても、前年度又は前三月の平均が20%以上であれば、要件を満たす。
※ 平成21年Q&A(Vol.1)(平成21年3月23日)問29は削除する。

その他

問16 緊急時訪問介護加算の算定時における訪開介護の所要時間はどのように決定するのか。

(答)
要請内容から想定される、具体的なサービス内容にかかる標準的な時間とする。したがって、要請内容については適切に把握しておくこと。
また、本加算の特性上、要請内容からは想定できない事態の発生も想定されることから、現場の状況を介護支援専門員に報告した上で、介護支援専門員が、当初の要請内容からは想定しがたい内容のサービス提供が必要と判断 (事後の判断を含む。)した場合は、実際に提供したサービス内容に応じた標準的な時間(現に要した時間ではないことに留意すること。)とすることも可能である。
なお、緊急時訪問介護加算の算定時は、前後の訪問介護との間隔は概ね2時間未満であっても所要時間を合算する必要はなく、所要時間20分未満の身体介護中心型(緊急時訪問介護加算の算定時に限り、20分未満の身体介護に引き続き生活援助中心型を行う場合の加算を行うことも可能)の算定は可能であるが、通常の訪問介護費の算定時と同様、訪問介護の内容が安否確認・健康チェック等の場合は、訪問介護費の算定対象とならないことに留意すること。
※ 平成21年Q&A(vol.1)(平成21年3月23日)問20及び平成21年Q&A(vol.2)(平成21年4月17日)問14は削除する。
(削除)
次のQ&Aを削除する。
平成21年Q&A(vol.1)(平成21年3月23日)問25、26、35


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