銀行から有利な条件を引き出すためのテクニック~一行取引にメリットはない、競わせることはOK~
こんにちは。大阪の介護専門税理士に松本昌晴です。
一つの銀行との融資取引を一行取引と言いますが、中小企業にとってメリットはありません。
融資全体の70%以上を一つの銀行で取引している場合も、一行取引と同じ問題があると考えられます。
中小企業にとって一行取引は、非常に問題があり不利な状況であると同時に、経営上のリスクもあります。
一行取引の何が危険か?
企業の成長度合いに即して説明します。
まず会社が起業したとき、最初のうちは保証協会とか日本政策金融公庫の創業融資を申し込まれる思います。
それから何年か経って軌道に乗ると一般的な保証協会を積み重ねながら、初めに取引するのは信用金庫か地銀が多いと思いますが、そこから短期の融資が出てきます。
そして徐々に大きい融資に発展しますが、ここで一行しか取引がないとどうなるかというと、一定以上の規模の企業に対して銀行は、「今後とも御社が継続的に発展して大きくなるのであれば、そろそろ本社ビルや不動産を持つべきでないか?」と提案してきます。
そして、「それによって御社はそれを担保にして、大きな融資を受けることができます。」と言ってきます。
本社ビルを担保にして借入しても、返済が進めば担保の枠が広がりますとか、会社が急成長しているので担保が不足するかもしれないので、自宅を担保に提供してくださいという要請があったりします。
結構、こういうパターンがあります。
融資残高では一番多いメインバンクが、担保評価額を差し引いた無担保の金額がメインではありません。
その後、帝国データバンクなどで会社の業績を聞きつけた周りの銀行が、無担保の融資を提案する様になります。
こうなるとメインバンクは担保で守られ、サブメインは無担保融資が膨らんでいきます。
こういう企業であると、いざというときにメインバンクは企業を守ってくれません。
なぜなら担保で守られているからです。
これが非常に怖いです。
そうでなくてもメインバンクが、一行だけで競う相手がいない場合は、金利も手数料も安くなっていないことが多いです。
メインバンクは担保で守られることで、何かあったときに助けてくれません。
メインバンクに頼り過ぎてはいけません。
金融機関取引は、ある程度分散させること
中小企業の基本的な融資取引の金融機関数は、おおむね年商ベースで2億円までであれば、2行程度の融資取引の銀行があればいいです。
そのうち1行は日本政策金融公庫でもいいです。
年商5億円レベルになると、取引銀行は民間金融機関3つ~4つぐらい。
そうなると信用金庫や信用組合は、融資として無担保で貸せる金額自体に限度がありますので、地方銀行と取引しなければなりません。
信用金庫や信用組合は、貸せる金額自体に限度があるので、融資額を増やすためには、他の銀行との取引を考えなければならないのです。
会社のことを本当に心配している信用金庫や信用組合の担当者であれば、「そろそろ御社も地方銀行と取引しないと、うちはこれ以上貸せない」と言ってくれます。
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