利益を生み出す介護事業ホームページのつくり方

以下の内容は、介護事業経営研究会(C-MAS、シーマス)全国顧問の原田 匡氏の講義内容を参考にして作成しました。

なお、以下で取り上げている事例は、デイサービス「あずゆあはうす」のホームページから引用しています。
http://www.kaigo-genkika.com/



介護業界には、ホームページは不要?

介護業界では、ホームページを作成している会社は少ないですし、またホームページを作成している会社でも「会社案内」や「パンフレット」としての役割しかないものが多く見かけられます。

一般的にホームページを作成する多くの目的は、お客さんの獲得や求人のためなどです。

ところが、介護業界では

  1. 利用者の獲得は、自治体や地域包括支援センター、ケアマネさんなどとの人間関係で行うのが常識ですし、
  2. また、介護職員は募集しても集まらないのが普通ですから、ホームページから応募してくるような人はそもそもいないという先入観があります。

このようなことから、介護業界ではホームページは不要という意見や役に立たないといった意見があります。

それでは、本当に介護業界ではホームページは要らないのでしょうか?役に立たないのでしょうか?

ホームページが「営業部長」や「人事部長」になる?

ホームページが

  1. 「営業部長」や「人事部長」になるなんて有り得ない。
  2. そんな夢物語みたいなことあるわけない。

という声が聞こえてきそうです。

しかし、後でご紹介しますが「営業部長」や「人事部長」になるホームページがあるのです。

つまり、ホームページから利用者を獲得することができたり、求人の応募があったりするのです。

しかも、ご家族も求人応募者も問合せするときには、もうほとんど決めています。

もし、このような理想的なホームページが完成したら、給料を払うこともなく、文句を言わずに24時間365日、働いてくれます。

それでは、「営業部長」「人事部長」型のホームページとは、どのようなものなのでしょうか?

それは、次のステップの順で問い合わせまでたどり着きます。


クリック

ステップ1
ホームページを見てもらうため、SEO対策やWEB広告(PPC広告など)を実行します。

いかに良いホームページを作成しても、まずクリックして見てもらわないと始まりません。


閲覧

ステップ2
ご家族や求人応募者が「共感」や「感動」する介護事業特有の充実したコンテンツを作成します。

ここが一番重要です。

「こんな介護事業所に親を預けたい」と家族の方が思ったり、「こんな介護事業で働きたかった」と求人応募者が思ったりする「共感」や「感動」が盛り込まれていることが必要です。


問合せ

ステップ3
ステップ1とステップ2ができたら、自然と問い合わせがあります。

ホームページから問い合わせをしやすいように、目立つようにボタン等を作成して問い合わせ専用のページを作り、メールおよび電話(担当者の氏名を記入)での問い合わせがスムーズにできるようにします。


「利益を上げるホームページ」究極の3つのポイント

ご家族と求人応募者は、あなたとあなたの会社に次の3つを問い続けています。

この問いに納得した時、ご家族と求人応募者は間違いなく、あなたとあなたの会社を選びます。

あなたは誰?

ステップ1
あなたとあなたの会社のことをまったく知らないご家族や求人応募者が、初めてホームページをクリックして閲覧したとき、「そもそも信頼できるところなのだろうか?」とまず思います。

ホームページに「お年寄りの尊厳を守り」とか「自分の親を預けたくなるところ」などと書かれていても、自分をアピールする文章は怪しいと思いませんか?

そこで、信頼できるという情報を「見える化」して、伝えることが大事です。


あなたのサービスは何?

ステップ2
ステップ1で「信頼できるのは分かった。」

それでは、「どんなサービスを提供してくれるの?」という質問に答えなければなりません。

・他社との違いや強み
・施設内の写真
・サービスの流れ
・Q&A
など、サービスの内容が分かるものを用意します。

特に、他社との違いや強みを「見える化」できるように工夫する必要があります。


あなたでなければならない理由は?

ステップ3
ステップ1で信頼でき、ステップ2でサービス内容が分かった。

しかし「なぜ、あなたに頼む必要があるの?理由が分からない。」という疑問に答えなければなりません。

後で実例をご紹介します。


「あなたは誰?」に答える

まず、最初にホームページを見にきた人に「あなたは誰?」「信頼できるの?」という疑問に答えなければなりません。

その方法として、たとえば次のようなものがあります。

  1. 顧客アンケート
  2. 個別インタビュー
  3. 家族座談会
    などがあります。

つまり、自分でアピールするのではなく、他人に推薦してもらうのです。

口コミの情報を見て、飲食店に行くことはないですか?

それと同じです。


ご利用者・ご家族アンケートのポイント

府中のデイサービス「あずゆあはうす」のホームページから、「ご利用者・ご家族アンケート」の実例をご紹介します。
http://www.kaigo-genkika.com/

テキストで読みやすくすると同時に、自筆で書かれたアンケートを掲載して信頼できるのもにされています。

【府中のデイサービス「あずゆあはうす」のホームページから抜粋】
お客様の声
お客様の声自筆



ご利用者・ご家族アンケートになっていますが、推薦文を書いてもらうのが第一の目的です。

そこで、「推薦文をお願いします。」と言うとなかなか書いてもらえませんが、「皆様に評価・お褒めいただくことが、私たちの大きな活力になります。・・・・・」とお願いすると書いてもらえやすいです。

また、ご家族などから褒められた従業員は、大変嬉しいものです。

さらにもっとお役に立つには、どうしたらよいかと考えるようになります。

このようにアンケートには、副次的効果があります。


日々の運営情報発信

自分たちがやっている活動内容を「見える化」することも、信頼を得る一つの方法です。

【府中のデイサービス「あずゆあはうす」のホームページから抜粋】
http://www.kaigo-genkika.com/
日々の運営情報発信


「あなたのサービスは何?」に答える

ここでは、他社との違いや強みをいかに「見える化」するかが課題です。

それでは、皆さんに質問です。

「あなたの会社の強みは何ですか?」

このように質問して、答えられる人な少ないでしょう。

自分のことは案外分からないものですが、他人の方がよく知っているものです。

上の、お客様アンケートの「皆様に評価・お褒めいただくことが、私たちの大きな活力になります。・・・・・」の項目がここでも役に立ちます。

ここのお褒めの言葉が、あなたの会社の強みなのです。

あなたの会社の強みを、証拠の「見える化」で示す。

あなたの会社の強みが分かったとして、ご家族等が納得してサービスを依頼するためには、ひと工夫が必要です。

ご家族は親を預けて、自分たちの悩みや苦しみ、ストレスなどを軽減できたり、解決してもらえるかもしれないとイメージできたら、そこの介護サービスを利用しようとします。

それに答えるためには、証拠に裏打ちされた事実やデータを目に見えるようにして信用してもらうことが重要です。

たとえば、他社との違いや強みの事例として、

  1. 24時間365日、延長・宿泊も自由にできるデイサービスセンターです。
  2. 元イタリアンのオーナーシェフが作る手作りの美味しい食事を、1食100円でご提供するデイサービスセンターです。
  3. 当社は専門性の高さに誇りを持っています。その証拠に、職員全員が介護福祉士、介護経験6年以上、管理者は介護福祉士兼柔道整復師です。
  4. 私たちは、どの事業所よりも家族の気持ちに寄り添うことができます。職員の70%以上が自分の親の介護を経験し、その内、60%以上が親を看取った経験がある私たちの施設に是非、ご相談ください。
  5. 要介護3の男性(97)が、要支援2になりました。鍵は「コミュニケーション型リハビリ」です。
    などがありますが、文章だけではイマイチ納得できません。

そこで、写真や動画など見える形にして、自社の違いや強みを証拠として示してください。

他社との比較表

あなたの会社の違いや強みは、他社と比較してみるとよく分かるものです。

ただ、この方法の弱点は自社が作っているため証拠力としては弱いことです。

【府中のデイサービス「あずゆあはうす」のホームページから抜粋】
http://www.kaigo-genkika.com/
特徴・競争力の比較
特徴・競争力の比較


「あなたでなければならない理由は?」に答える

介護実践レポート

実際の介護の現場を物語にして、「こういう介護をうちの親にもしてほしい。」と思ってもらえる内容をレポートにして、ホームページに掲載します。



【府中のデイサービス「あずゆあはうす」のホームページから抜粋】
http://www.kaigo-genkika.com/
利用者様の日々


代表・幹部のメッセージ

代表者や幹部はホームページにメッセージを書き、読み手の共感を誘い心の距離を近づけるようにします。

そのためには、次の点に注意しましょう。

  1. 安心感・親近感を意識する(顔を見せるなど)
  2. メッセージ(最後に何を伝えたいか?)を明確にする。
  3. 読み手が聞きたいことは何か?
  4. 人の共感と応援を呼ぶストーリーを組み立てる。
  5. 事実・エピソード主義(恥ずかしくて隠したくなることも)。
  6. 正直に、飾らず、自分の本音や感情の動きを綴る。
  7. 公的ミッションを感じる言葉を意識する(ご利用者への想いを表現する)。

【共感と応援を呼ぶストーリー(パターン1)】
今の活動・今の信念に至っている「歴史」「理由」を包み隠さず話すことにより、信頼感が大きく増します。

過去の自分を語る
前職は?
独立のキッカケは?
誰のために何故やろうと思ったのか?
苦労したこと、辛かったことは?
それはどう今の仕事に活きているか?

矢印画像

現在の自分を語る
お客様のために、自分ができることは?
心がけていることは?
出来ないことは?
それらは、過去の自分や今の自分の活動とつながってる?

矢印画像

未来の想いを語る
お客様のために、社会のために、これから何をどうしていきたい?
組織の代表(幹部)としてのあなたの夢?目標?



【共感と応援を呼ぶストーリー(パターン2)】

導入
順風満帆な主人公 or 未熟・生意気な主人公

矢印画像

不運の訪れ
想定外のハプニングに巻き込まれ、心が折れそうになる

矢印画像

復活の兆し
ふとしたきっかけから復活の兆しを得る(師匠との出会いなど)

矢印画像

努力・試行錯誤
試練を乗り越えようと懸命に努力する

矢印画像

成長・報酬
成長を遂げ、報酬や自信を手に入れる。

長く働いてもらうためには自事業所を知ってもらうことが重要

次の図は、 公益財団法人介護労働安定センターが実施した平成24年度介護労働実態調査から、直前の介護の仕事をやめた理由を集計したものです。

【直前の介護の仕事をやめた理由 (労働者回答)】
直前の介護の仕事をやめた理由

2番目の「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」に、ご注目ください。

この退職理由は、就職する前に事業所の理念や運営のあり方が分かっていたら、防げたかもしれません。

いままで述べてきた通りのホームページが完成したら、あなたの事業所の理念や運営のあり方がオープンになります。

それを見て共感した人が就職すれば、仕事をやめた理由の「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」を防げると思いませんか?

このように、ホームページは人事部長の役割も担うことができます。





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