介護職員処遇改善加算

平成24年度介護報酬改定に関するQ&A


問223 介護職員処遇改善計画書における賃金改善の基準点はいつの時点になるのか。

(答)
介護職員処遇改善加算の算定要件は、賃金改善実施期間における賃金改善に要する額(当該改善に伴う法定福利費等の事業主負担増加額を含む。)が、加算の総額を上回ることとしている。
その「賃金改善」については、賃金改善実施期間における賃金水準を、以下の賃金水準と比較した場合の改善分をいう。
・ 介護職員処遇改善交付金を受けていた事業所については、平成23年度の賃金水準から交付金による改善を行っていた部分を除いた水準(ただし、平成25年度以降に新たに加算を算定する場合は、前年度の賃金水準)。
・ 介護職員処遇改善交付金を受けていなかった事業所については、加算を算定する年度の前年度の賃金水準。
したがって、例えば、
・ 手当等により賃金改善を実施する場合に、特段の事情なく基本給を平成23年度より切り下げる。
・ 基本給により賃金改善を実施する場合に、業績連動ではないその他の手当等を平成23年度より引き下げる。
などの場合は、賃金改善と認められない。

問224 介護職員処遇改善計画書における賃金改善実施期間はいつから、いつまでか。

(答)
加算における賃金改善を実施する期間であり、当該加算は平成24 年4 月から算定が可能となるため、その賃金改善実施期間についても原則4月(年度の途中で加算の算定を受ける場合、当該加算を受けた月)から翌年の3月までとなる。
なお、交付金を受けている場合等により、賃金改善期間の重複が発生する等の理由がある場合は、賃金改善実施期間を6月から翌年5月までとするなど柔軟な対応をとられたい。

問225 介護職員処遇改善計画書や報告書に関する証拠書類として事業者から求める書類について、国から基準は示されるのか。

(答)
労働基準法(昭和22 年法律第49 号)第89条に規定する就業規則や就業規則と別に作成している賃金・退職手当・臨時の賃金等に関する規程を想定している。

問226 介護職員処遇改善計画書、実績報告の様式を変更してもよいか。

(答)
3月16日付け老発0316第2号通知で様式例をお示ししたとおりであり、指定権者をまたいで複数事業所を一括して法人単位で介護職員処遇改善計画書を作成することもあり、事務の簡素化の観点から、特段の事情のない限り同様式例を活用して頂きたい。

問227 介護職員の資質向上の支援に関する計画には、具体的にどのような内容が必要か。

(答)
当該計画については、特に基準等を設けておらず、事業者の運営方針や事業者が求める介護職員像及び介護職員のキャリア志向に応じて適切に設定されたい。
また、計画の期間は必ずしも賃金改善実施期間と合致しなくても良い。
なお、目標を例示すれば、次のようなものが考えられる
① 利用者のニーズに応じた良質なサービス提供するために、介護職員が技術・能力(例:介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等)の向上に努めること。
② 事業所全体での資格等(例:介護福祉士、介護職員基礎研修、訪問介護員研修等)の取得率向上

問228 介護職員処遇改善加算に係る、厚生労働大臣が別に定める基準の内容のうち、イ⑹の「労働保険料の納付が適正に行われていること」について具体的に内容を確認すればよいか。

(答)
加算の算定をしようとする事業所における従事者に対する労働保険の加入状況が適切に行われていることが必要となるため、労働保険保険関係成立届等の納入証明書(写)等を提出書類に添付する等により確認する。

問229 実績報告書の提出期限はいつなのか

(答)
各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日までに、介護職員処遇改善実績報告書を提出する。
例:加算を算定する最後のサービス提供月が3月の場合、5月支払となるため、2か月後の7月末となる。

問230 キャリアパス及び労働保険納付に関する確認資料は、交付金申請事業所からも改めて提出を求める必要があるか。

(答)
介護職員処遇改善交付金を受けている事業所について、都道府県に届出をする場合は、キャリアパス及び労働保険納付に関する確認資料に変更がない場合、省略を可能とする。
また、指定都市又は中核市については、都道府県から指定事務等の一環として、これらの確認資料を引き継ぐ場合については、省略を可能とする。
地域密着型サービスについて、新たに市町村に届出が必要となる場合については、都道府県に提出している資料と同様のものの提出が必要となる。

問231 賃金改善等の処遇改善計画の介護職員への周知方法の確認について、回覧形式で判子を押印した計画書の写しを提出させること等が考えられるが、具体的にどのように周知すればよいか。

(答)
賃金改善計画等の周知については、全従事者が閲覧できる掲示板等への掲示や全従事者への文書による通知等が考えられるが、各法人・事業所において適切な方法で実施することが必要である。

問232 労働に関する法令に違反し、罰金以上の刑に科せられていないことは、どのようにして確認するのか。

(答)
事業所の指定を行う際と同様に、届出を行う事業所に誓約書等の提出を求めることにより確認する。

問233 介護職員の任用の際における職責又は職務内容等の定めには、最低限、どのような内容が必要か。

(答)
職責や職務内容等については、特に基準等を設けておらず、事業者の運営方針等に基づいて設定することが必要である。

問234 介護職員処遇改善加算の届出は毎年必要か。平成24年度に加算を算定しており、平成25年度にも加算を算定する場合、再度届け出る必要があるのか。

(答)
介護職員処遇改善加算を算定しようとする事業所が前年度も加算を算定している場合、介護職員処遇改善計画書は毎年提出する必要があるが、既に提出された計画書添付書類については、その内容に変更(加算取得に影響のない軽微な変更を含む)がない場合は、その提出を省略させることができる。

問235 介護職員処遇改善計画書の作成について、当該計画の内容が変更になった場合は、改めて都道府県知事等に届け出る必要があるのか。また、当該計画は、事業年度を超えて作成することはできないと解してよろしいか。

(答)
加算を算定する際に提出した介護職員処遇改善計画書等に変更があった場合には、必要な事項を記載した変更の届出を行う。なお、加算取得に影響のない軽微な変更については、必ずしも届け出を行う必要はない。
また、介護職員処遇改善計画は収入額・支出額等を各年度、見直しをする必要があるため、各年毎に作成することが必要である。

問236 事業悪化等により、賃金水準を引き下げることは可能か。

(答)
サービス利用者数の大幅な減少などによる経営の悪化等により、事業の継続が著しく困難であると認められるなどの理由がある場合には、適切に労使の合意を得た上で、賃金水準を見直すこともやむを得ない。
また、賞与等において、経常利益等の業績に連動して支払額が変動する部分が業績に応じて変動することを妨げるものではないが、本加算に係る賃金改善は、こうした変動と明確に区分されている必要がある。

問237 実績報告で賃金改善額が加算額を下回った場合、これまでの交付金と同様、返還する必要があるのか。

(答)
加算の算定要件は、賃金改善額が加算による収入額を上回ることであり、加算による収入額を下回ることは想定されないが、仮に加算による収入額を下回っている場合は、一時金や賞与として支給されることが望ましい。
なお、悪質な事例については、加算の算定要件を満たしていない不正請求として全額返還となる。

問238 期限までに実績報告が行われない場合は、実施期間中の当該加算は全額返還となるのか。

(答)
加算の算定要件で実績報告を行うことしており、指定権者が実績報告の提出を求める等の指導を行っているにも関わらず、実績報告の提出を行わない場合は、加算の算定要件を満たしていない不正請求として全額返還となる。

問239 通常、加算は実施した翌月以降に請求することとなる、4月から加算を算定しようとする場合、3月中には介護職員処遇改善計画書を作成して従業員に周知しなければならないが、期間が短く対応ができないのではないか。

(答)
平成24 年度に交付金の承認を受けていた介護サービス事業所等については、当該承認をもって、加算の算定要件を満たしたものとみなし、平成24年5月末までに、介護職員処遇改善計画書及び計画書添付書類を都道府県知事等に届出をすることで算定を可能とする経過措置を設定した。従って、この間に介護職員処遇改善計画書を作成し、都道府県知事等に届け出ることが必要である。

問240 加算は、事業所ごとに算定するため,介護職員処遇改善加算の算定要件である介護職員処遇改善計画書や実績報告書は,(法人単位ではなく)事業所ごとに提出する必要があるのか。

(答)
加算は、事業所毎に算定をするため事業所毎の届出が原則となるが、介護サービス事業所等を複数有する介護サービス事業者等(法人である場合に限る。)である場合や介護サービス事業所等ごとの届出が実態に鑑み適当でない場合、介護職員処遇改善計画書は、当該介護サービス事業者等が一括して作成することができる。また、同一の就業規則により運営されている場合に、地域ごとや介護サービスごとに作成することができる。

問241 介護職員処遇改善計画書を単独事業所で作成する場合や同一県内の複数事業所を一括で作成する場合など、どの様式で届け出ればよいか。

(答)
介護職員処遇改善計画書は全ての事業所で作成(複数事業所を一括で作成可能)する必要があり、複数事業所を一括で作成する場合、事業所の一覧(添付資料1)、都道府県状況一覧(添付資料2)、市町村状況一覧(添付資料3)を添付することとしている。
単独の事業所で介護職員処遇改善計画書を作成する場合は、添付書類は必要なく、同一県内の複数事業所を一括で作成する場合は、事業所一覧(添付資料1)と市町村状況一覧(添付資料3)が添付資料として必要になる。

問242 介護職員処遇改善加算は、区分支給限度基準額に反映しないとありますが、利用料には反映されるのか。

(答)
介護職員処遇改善加算は、区分支給限度基準額の算定には含まない。また、利用者には通常の介護報酬算出方式に基づき算出した額の1 割を請求することになる。

問243 介護職員処遇改善加算の算定要件として,介護職員処遇改善計画書や実績報告書を都道府県知事等に提出することとなっているが,当該要件を満たしていることを証するため,計画書や実績報告書の提出を受けた都道府県知事は,(介護給付費算定に係る体制等状況一覧表の「受理通知」は送付しているがそれとは別途に)「受理通知」等を事業所に送付する必要があるのか。

(答)
加算の算定に係る事務を滞りなく行うために必要な事務については、他の加算同様に実施することが必要である。

問244 平成24年度から新たに介護サービス事業所を開設する場合も加算の算定は可能か。

(答)
新規事業所についても、加算算定は可能である。この場合においては、介護職員処遇改善計画書の賃金改善額は賃金のうち加算の収入を充当する部分を明確にすることが必要である。なお、方法は就業規則、雇用契約書等に記載する方法が考えられる。

問245 交付金事業では、賃金改善は複数の給与項目で実施できたが、加算においても同様の取り扱うのか。一時金で改善してもよいのか。

(答)
介護職員処遇改善計画書には、増額若しくは新設した又はする予定である給与の項目の種類(基本給、手当、賞与又は一時金等)等を記載することとしているが、基本給で実施されることが望ましい。

問246 交付金事業と同様に、賃金改善は常勤、非常勤等を問わず、また、一部の介護職員を対象としないことは可能か。

(答)
介護職員処遇改善加算の算定要件は、賃金改善に要する額が加算による収入を上回ることであり、事業所(法人)全体での賃金改善が要件を満たしていれば、一部の介護職員を対象としないことは可能である。

問247 平成24年当初の特例で介護職員処遇改善交付金を受けていた事業所は、介護職員処遇改善加算ではどの様にみなされるのか。介護職員処遇改善交付金と要件を変更する場合や加算の取得を辞退する場合はどの様な手続きが必要か。

(答)
平成24年当初の特例については、介護職員処遇改善交付金を受けている事業所については、平成24年4月1日から下記の加算を算定する事業所とみなすこととなる。ただし、平成24年5月末日までに届出に関する書類を指定権者に提出する必要がある。
また、加算の要件を交付金の時と変更する場合や新規に加算を取得する場合は、新規の届出が必要になり、加算の取得を辞退する場合は、その旨の届出が必要である。

介護職員処遇改善交付金     介護職員処遇改善加算

   100%     ⇒      加算(Ⅰ)
    90%     ⇒      加算(Ⅱ)
    80%     ⇒      加算(Ⅲ)


問248 加算算定時に1単位未満の端数が生じた場合、どのように取り扱うのか。また同様に、利用者負担の1円未満はどのように取り扱うのか。

(答)
通常の介護報酬における単位の計算と同様に、一単位未満の端数を四捨五入し、現行の他の加算と同様になる。なお、利用者負担は1 円未満の端数を切り捨てて計算する。

加算の届出


問249 加算等に係る届出については、毎月15日(今年3月は25日)までに行わなければ翌月から算定できないが、報酬改定の影響により届出が間に合わなかった場合の特例はないのか。

(答)
4月1日から加算等の対象となるサービス提供が適切になされている
にもかかわらず、届出が間に合わないといった場合については、4月中に届出が受理された場合に限り、受理された時点で、ケアプランを見直し、見直し後のプランに対して、利用者の同意が得られれば、4月1日にさかのぼって、加算を算定できることとする取り扱いとなる。
なお、混乱を避けるため、その場合であっても、事業者は利用者に対し、ケアプランが事後的に変更され、加算がさかのぼって算定される可能性があることを、あらかじめ説明しておくことが望ましい。

問250 介護給付費算定に係る体制状況一覧における介護職員処遇改善加算は、期日までに提出は必要か。また、必要な添付書類はなにか。

(答)
介護職員処遇改善加算については、平成24年当初の特例を設けており、介護職員処遇改善交付金を受けている事業所については、加算を算定する事業所とみなすため、介護給付費算定に係る体制状況一覧における介護職員処遇改善加算の部分については、記載を省略しても差し支えない。
また、介護給付費算定に係る体制状況一覧における介護職員処遇改善加算に関する添付書類については、介護職員処遇改善計画書等の届出を持って添付書類とすることとし、介護職員処遇改善計画書を複数事業所でまとめて作成している場合についても、それぞれの事業所ごとに資料を添付する必要はない。

問251 地域区分については、該当する市町村に存在するすべての事業所について変更となりますが、届出は必要ありますか。

(答)
介護給付費算定に係る体制状況一覧については、その内容に変更がある場合は届出が必要になるが、地域区分については該当する地域に所在する事業所全てが変更になるもののため、指定権者において対応可能であれば届け出は必要ない。



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