介護事業者のための会計入門~黒字倒産~

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

今まで2回にわたり運転資金と資金繰り表についてブログに書きました。

今回は、資金繰り表と損益計算書の関係について解説したいと思います。

介護事業者のための会計入門~運転資金その1~で取り上げた事例は次の通りでした。

【仮定】
4月開業
介護報酬月額200万円⇒翌々月の25日入金
給料・家賃等の経費月額180万円⇒当月25日
利用者の1割合負担は介護報酬に含み回収条件は国保連の請求と同じとする。

以上の条件で運転資金はいくら必要でしょうか?
簡単な月別資金繰り表を作成してみると分かります。

資金繰り表       (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月初0▲180▲360▲340▲320▲300▲280▲260▲240
入金(25日)0200200200200200200200
出金(25日)180180180180180180180180180
月末▲180▲360▲340▲320▲300▲280▲260▲240▲220



上記の資金繰り表に基づき損益計算書を作成すると次の様になります。

      損益計算書       (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月
前月繰越利益020406080100120140160
売上200200200200200200200200200
費用180180180180180180180180180
次月繰越利益20406080100120140160180


資金繰り表と損益計算書の違いはどこでしょうか?

資金繰り表では4月と5月の入金は ともに0ですが損益計算書の売上は、それぞれ200です。

ここに違いがあります。

なぜ違うかについては、次回で書くとして、ここでは「黒字倒産」について解説します。

資金繰り表をみると、資金不足の状態です。もし資金調達に失敗すると廃業しなければなりません。

しかし、損益計算書をみると4月も5月も利益20が出ていて黒字です。

この様に、損益計算書では黒字で、資金繰り表で資金不足で倒産することを「黒字倒産」と言います。

黒字なのに倒産することがあるということを、ご理解ください。

損益計算書は、会社の業績を示す重要な書類ですが、それだけでは十分でなく資金繰り表と合わせて見ないといけないことをご理解いただけたでしょうか?



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