介護事業者のための会計入門~売上が増えると資金繰りが苦しくなる?~

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

売上が増えると資金繰りは苦しくなります。

「エッ本当ですか?」と思われるでしょう。

これが本当なのです。

正確に言うと売上が増えた月とその翌月は資金繰りは苦しくなりますが、翌々月からは楽になります。

なぜそうなるかを次の損益計算書をもとに解説しましょう。

 損益計算書 (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
前月繰越利益0204060100140180220260340420500
売上100100100200200200200200400400400400
費用808080160160160160160320320320320
次月繰越利益204060100140180220260340420500580

売上は7月から100⇒200に、12月から200⇒400に増えています。

一方、費用は資金繰り表と同じです。


上記の損益計算書から資金繰り表を作成すると、次の通りになります。

 資金繰り表 (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
月初02040600▲60▲202060▲60▲180▲100
入金100100100100100200200200200200400400
出金808080160160160160160320320320320
月末2040600▲60▲202060▲60▲180▲100▲20



上記の損益計算書と資金繰り表を比べてみてください。

どこが違うでしょうか?

介護報酬は、2ヶ月遅れで入金になりますが、出金例えば給料は先に支払わなければなりません。

売上が増えれば増えるほど、出金も増えますから介護報酬が入金される2か月間は資金繰りが苦しくなります。

売上が増えた7月とその翌月の8月は、資金繰り表を見て頂くとわかるように資金が減少していますが、翌々月の9月から資金が増加しています。

同じように、売上が増えた12月とその翌月の1月は資金が減少していますが、翌々月の2月からは資金が増加しています。

以上の通り、売上が増えた月とその翌月は資金繰りは苦しくなりますが、翌々月からは楽になります。

参考ブログ
2012.9.9「介護事業者のための会計入門~資金繰り表と損益計算書の違い~」

全国展開する大手の介護事業者は、売上の急激な増加を見込めますが、特に2か月間は資金繰りが苦しくなるので、資金調達を事前にしているはずです。

以上、説明を分かりやすくするため簡略化していますが、実際には設備投資・借入やその返済・支払条件などによって複雑になります。

その解説は、次回以降で取り上げる予定です。


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