介護事業者のための会計入門~借金は利益から返す~

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

2012.9.22のブログ「介護事業者のための会計入門~お金がないのに、なぜそんなに高い税金を払うの?~」の続きです。

前回、掲載した資金繰り表と損益計算書を再掲します。

   資金繰り表       (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
月初01800102030405060708090
入金(25日)360200200200200200200200200200200
出金(25日)180180190190190190190190190190190190
月末1800102030405060708090100

一方、損益計算書は次のようになります。
   損益計算書      (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
前月繰越利益020406080100120140160180200220
売上200200200200200200200200200200200200
費用180180180180180180180180180180180180
次月繰越利益20406080100120140160180200220240

会社の税金(法人税と法人住民税)を40%と仮定して、税金はおおよそ3月の次月繰越利益240の40%で96になります。

しかし、「資金繰り表2」の3月の月末のお金は100しかありません。

上記の資金繰り表を税金の支払い月の5月まで作成すると次のようになります。

   資金繰り表       (単位:万円)  

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月
月初01800102030405060708090100110
入金(25日)3600200200200200200200200200200200200200
出金(25日)180180190190190190190190190190190190190286
月末180010203040506070809010011024

5月の出金286万円は、給料や家賃等180万円+税金96万円+借金の返済10万円=286万円です。

この結果、5月末の資金残高は24万円に減少します。

借金は税金を払った残りの金額から支払うことになります。

上の事例では360万円の借金を3年(36ヶ月)で返すことになりますが、この間利益は600万円出さないと借金を返済できません。

なぜなら税金を40%と仮定すると、利益600万円×40%=240万円の税金を支払い、残り360万円(=600万円-税金240万円)で借金の返済をするからです。

600万円の利益は、売上に換算すると

  1. 粗利率20%で600万円÷20%=3000万円、
  2. 粗利率10%で600万円÷10%=6000万円
  3. 粗利率5%で600万円÷5%=1億2000万円
    になります。

360万円の借金を返すために、

  1. 粗利率20%なら3000万円
  2. 粗利率10%なら6000万円
  3. 粗利率5%なら1億2000万円
    の売上が必要になります。

ここで、粗利率とは正確ではないですが、利益÷売上と思ってください。

この様に、借金を返すのは大変であるということを認識のうえ、金融機関からの借り入れをしてください。

稼いだお金も借りたお金も、お金に色はありませんから錯覚してしまいます。借金は麻薬と同じです。借りるまでは苦労しますが、借りてしまうと返済の事は忘れてしまいます。そして、お金が無くなれば金融機関が貸してくれるまで借ります。十分にお気を付けて借りてください。


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