2012.10.25
カテゴリ:介護事業者のための会計入門
介護事業者のための会計入門~按分基準の選択のポイント~
こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。
「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第38条では「会計の区分」について、介護サービスごとに会計を区分するように規定しています。
例えば、訪問介護事業と居宅介護支援事業をしている場合には、売上と経費を
- 訪問介護事業
- 居宅介護支援事業
- 上の2つの事業に共通
3つに分けなければなりません。
そして、上の3の訪問介護事業と居宅介護支援事業に共通の経費(例えば、社長の給料や家賃、須藤光熱費など)を訪問介護事業
と居宅介護支援事業に按分(振り分ける)しなければなりません。
この按分するときに使う基準が按分基準です。
按分基準の例示
以下で代表的な按分基準を例示しました。
按分基準のうち、延利用者数割合が多くの科目で出てきます。
- 給与費
勤務時間割合・職種別人員配置割合・届出人員割合・延利用者数割合 等 - 材料費
各事業所消費金額・延利用者数割合・事業別収入割合 - 厚生費
給与費割合・延利用者数割合 - 旅費、通信費、交際費、諸会費、雑費、渉外費
延利用者数割合・職種別人員配置割合・給与費割合 - 消耗品費、被服費、教養娯楽費、日用品費、広報費
各事業所消費金額・延利用者数割合 - 車両費
使用高割合・送迎利用者数割合・延利用者数割合 - 会議費
会議内容により事業個別費で区分・延利用者数割合 - 光熱水費
メーター等による測定割合・建物床面積割合 - 修繕費
建物は修繕部分で区分。建物以外は事業個別費として区分・建物床面積割合 - 賃借料、地代家賃等
賃貸物件特にリース物件については物件の使用割合・建物床面積割合 - 減価償却費
建物は、床面積割合・延利用者数割合。その他は、使用高割合・延利用者数割合 - 徴収不能額
各事業の個別発生金額・各事業別収入割合 - 引当金繰入額
退職給与、賞与は、給与費割合・延利用者数割合。徴収不能引当金は、事業毎の債権金額に引当率を乗じた金額・延利用者数割合 - 支払利息
借入目的別の借入金に対する期末残高割合で区分。困難な場合、土地建物は、建物延面積割合。それ以外は、延利用者数割合
いずれにせよ、どの按分基準を選択するかについては任意ですが、一度選択したら原則として継続して適用する必要があります。
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