介護事業所の設立第1期の「均等割」に注意

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

法人の「均等割」とは

法人の住民税(道府県民税と市町村民税)の「均等割」をご存知でしょうか?赤字でも払わないといけない税金です。

例えば、大阪府は資本金等の金額が1千万円以下である法人の場合は、2万円です。同様に大阪市は5万円です。

この「均等割」の計算を大阪府の例で説明します。
資本金等の金額が1千万円以下である法人の場合
2万円×「算定期間において事務所等を有していた月数」÷12=「均等割」

「算定期間中において事務所等を有していた月数」とは

「算定期間中において事務所等を有していた月数」は、暦に従って計算し1月に満たないときは1月とし、1月に満たない端数を生じたときは切り捨てることとなっています。

従って、3月決算法人で4月1日に設立した法人と4月2日に設立した法人では「均等割」が違ってきます。
4月1日設立の法人は「均等割」2万円
4月2日設立の法人は「均等割」2万円×11÷12=18,300円
となります。

大阪市も同様です。

「事務所等を有していた」とは

「算定期間中において事務所等を有していた月数」の「事務所等を有していた」とは何を意味するのでしょうか?

「地方税法の施行に関する取扱いについて(平成24年6月11日 総税市第31号)」第1章第1節の6に次のように書かれています。

6 事務所又は事業所
(1) 事務所又は事業所(以下「事務所等」という。)とは、それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず、事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで継続して事業が行われる場所をいうものである。この場合において事務所等において行われる事業は、当該個人又は法人の本来の事業の取引に関するものであることを必要とせず、本来の事業に直接、間接に関連して行われる付随的事業であっても社会通念上そこで事業が行われていると考えられるものについては、事務所等として取り扱って差し支えないものであるが、宿泊所、従業員詰所、番小屋、監視所等で番人、小使等のほかに別に事務員を配置せず、専ら従業員の宿泊、監視等の内部的、便宜的目的のみに供されるものは、事務所等の範囲に含まれないものであること。
(2) 事務所等と認められるためには、その場所において行われる事業がある程度の継続性をもったものであることを要するから、たまたま2、3か月程度の1時的な事業の用に供する目的で設けられた現場事務所、仮小屋等は事務所等の範囲に入らないものであること。 

介護事業所の設立第1期の「均等割」

ところで、介護事業所の場合はどうでしょうか?

会社設立しても、すぐ開業というわけにはいきません。

例えば、通所介護(デイサービス)の場合だと
会社設立 ⇒ 事前協議 ⇒ 本申請 ⇒ 内装工事 ⇒ 開業
というスケジュールになります。

「均等割」は

  1. 事業の必要から設けられた人的及び物的設備があるとかかること。
  2. また、本来の事業に直接、間接に関連して行われる付随的事業であっても社会通念上そこで事業が行われている場合は含まれること。
    に注意しなければなりません。

会社設立から開業まで数カ月かかる介護事業の場合は、会社設立月から「均等割」を計算しないように注意しなければなりません。



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