NHKニュース 「都市部高齢化 施設や介護はどうなる」
こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。
NHKニュース 「都市部高齢化 施設や介護はどうなる」
「都市部高齢化 施設や介護はどうなる」のタイトルのNHKニュースです。
4分程度のニュースでしたが、内容は大きく次の三つです。
- 都市部で高齢化が急速に進み施設が不足する。
- 東京・杉並区の試み。
- 淑徳大学の結城康博教授の意見。
おそらく、厚生労働省で平成25年5月20日に開催された「第1回都市部の高齢化対策に関する検討会」で議論された内容を報道したのだと思います。
そこで、NHKニュースの内容と「第1回都市部の高齢化対策に関する検討会」の資料とを合わせて、お伝えします。
都市部で高齢化が急速に進み施設が不足する。
都道府県別の高齢者(75歳以上)人口の推移
下の表をご覧ください。
これは、「第1回都市部の高齢化対策に関する検討会」の資料から抜粋したものです。
この表によると、2025年までの15年間に増える75歳以上の高齢者の数は、
- 最も高い埼玉県で2倍、
- 千葉県で1.92倍、
- 大阪府で1.81倍、
- 愛知県で1.77倍、
- 東京で1.6倍
などとなっています。
このように都市部で高齢化が急速に進むと、介護が必要な高齢者も増えると予測されています。
都道府県別の高齢者(75歳以上)人口の推移
【資料】2010年高齢者人口:「平成22年国勢調査」(総務省統計局)
2025年高齢者人口:「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)
特別養護老人ホームの入所申込者の状況
- 特別養護老人ホームの入所申込者42.1万人のうち、在宅で要介護度が重い申込者が6.7万人。
- 要介護度3以下の申込者が24.3万人おり、在宅でない申込者も22.3万人いる。
特別養護老人ホームの入所申込者の状況
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(都道府県別の状況)
特別養護老人ホームへの入所を待つ高齢者は、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で全体のおよそ4分の1を占めています。
しかし、都市部では土地の確保が難しく、施設不足が大きな課題となっています。
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(都道府県別の状況)(平成21年12月集計)
東京・杉並区の試み
東京都杉並区が、およそ150キロ離れた静岡県南伊豆町に特別養護老人ホームを建設する計画が紹介されていました。
これは自治体がほかの都道府県に特養を作る初めての取り組みで、都市部の高齢者を地方で受け入れるモデルケースとして全国に広げるべきかどうか議論されます。
NHKニュースより
淑徳大学の結城康博教授の意見
- 「都市部では独居の高齢者と老夫婦世帯が圧倒的に多く、いずれかの段階で施設に入りたいという人が急激に増えてくるが、地価が高く施設をたくさん作るのは不可能だ。施設を郊外に作って待機者を減らしていくというある程度割り切った政策も決断していくべきだ」
- 「家族が面会などに行けることが重要だ」
- 「在宅介護サービスの整備や、在宅介護を補うショートステイなどの施設サービスを同時に充実させていく必要がある」
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