高齢者世帯の所得

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

いま、社会保障制度改革国民会議で議論されている「軽度の要支援者の分離」の背景にあるのが、高齢者世帯の所得の増加や財産が多いことにあります。

高齢者世帯の所得は増えている

下の高齢者世帯の所得階級別分布をご覧ください。

最も多い所得階級は、
平成15年と平成18年が「100万円以上150万円未満」  ⇒  平成21年が「150万円以上200万円未満」
と増加しています。

「450万円以上500万円未満」、「500万円以上600万円未満」の所得階級が過去6年で増加しています。

所得金額の中央値も増加しています。

このように、高齢者の所得は増えています。

高齢者世帯の所得階級別分布
高齢者世帯の所得

生活支援切り離し

このように、高齢者は所得が増加傾向にあり、また日本人の貯金1,500兆円のうち、65歳以上が900兆円を持っていると言われています。

経済産業省は、この高齢者が消費しない限り日本経済の成長はないと考えています。

このため、生活支援を介護保険から切り離し、貯金を多く持っている高齢者に支払ってもらおうとしています。

これが、生活支援を介護保険から切り離す背景にあります。

また、所得が増えている高齢者が介護保険を使って掃除、選択、買い物などを1割の負担でやってもらい、現役の若い人達がなぜ介護保険料を負担しないといけないのか?という疑問もあります。

貯蓄率半減、そろそろ限界?

ところが、平成25年7月13日の日本経済新聞には、「高齢者の貯蓄率が十数年で半減し、そろそろ限界?」ではないかと書かれています。

このような状況で、生活支援を介護保険から切り離すことは、高齢者の抵抗があるように思います。


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