特別養護老人ホーム入居者の所得状況
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
昨日のブログで、特別養護老人ホームに入居する低所得者の食費や部屋代の負担軽減制度が、見直されるということを書きました。
そこで、特別養護老人ホームに入居している人の所得状況は実際どうなっているか調べました。
特別養護老人ホーム入所者の約8割が低所得者
- 第1段階
・生活保護受給者
・市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者 - 第2段階
・市町村民税世帯非課税であって、課税年金収入額+合計所得金額が80万円以下 - 第3段階
・市町村民税世帯非課税であって、利用者負担第2段階該当者以外 - 第4段階
・市町村民税世帯非課税であって、世帯に課税者がある者
・市町村民税世帯課税者
食費や部屋代の負担軽減の対象となっている低所得者は、第1段階~第3段階の人です。
その割合は、
- 第1段階 6%
- 第2段階 57%
- 第3段階 16%
で、合わせて約80%です。
負担軽減対象者は、特別養護老人ホームの入所者の約8割を占めています。
なお、各要介護度における所得段階別の割合は次の通りですが、要介護度ごとに大きな差異は見られません。
夫婦高齢者世帯の収入階級別貯蓄等保有状況
65歳以上の夫婦のみの世帯の貯蓄等は、どうなっているでしょうか。
次のデータは、平成21年全国消費実態調査によるのもですが、収入200万円未満の世帯で貯蓄等が1,200万円以上の世帯の占める割合は20%、収入200万円以上300万円未満の世帯では28%になっています。
収入の割に貯蓄等が多いのが高齢者の実態です。
(収入階級:万円)
夫婦高齢者世帯の収入階級別住宅・宅地資産額状況
次のデータは、平成21年全国消費実態調査によるもので、65歳以上の夫婦のみの世帯の収入階級別住宅・宅地資産額状況です。
収入200万円未満の世帯で住宅・宅地資産額が1,000万円以上の世帯の占める割合は47%、収入200万円以上300万円未満の世帯では50%を占めています。
高齢者は収入の割に、不動産をたくさん持っています。
(収入階級:万円)
特別養護老人ホームの食費や部屋代の負担軽減制度の見直
特別養護老人ホームや老人保険施設などの介護保険施設に入居する低所得者の食費や部屋代について、負担軽減制度が見直されようとしています。
昨日のブログにも書いた様に、具体案として
- 預貯金・有価証券が、夫婦で2,000万円以上(単身で1,000万円以上)かつ
- 不動産の固定資産税評価額が2,000万円以上
であれば,食費や部屋代の負担軽減の対象外になることが示されています。
上の図の
- 夫婦高齢者世帯の収入階級別貯蓄等保有状況 と
- 夫婦高齢者世帯の収入階級別住宅・宅地資産額状況
は、今回の具体案の根拠になっていると想像されます。
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