小規模デイが増加した要因
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
昨日のブログで小規模デイが著しく増加していることが問題視され、2015年の介護保険制度の改正に影響しそうだということを書きました。
下の円グラフは、デイサービス全体の事業所の51.8%、約半分が小規模デイであることを示しています。
それでは、なぜこんなに小規模デイが増えていったのか、その要因を探ってみたいと思います。
要因としては、次の5つが考えられます。
【小規模デイが増加した要因】
- 人員基準で看護職員が実質不要
- 民家を使った設備投資は最小限で開業が可能
- FCの増加で開業ノウハウが標準化
- お泊りデイ、リハビリデイなど特徴を出しやすい
- 競争激化で稼働率が低迷して利用者が伸びない
なお、小規模デイは一般的には定員10人以下を言いますが、ここでは前年4月から当年2月までの11ヶ月間の平均利用者数が1ヶ月300人以下を小規模デイと言います。
したがって、定員が11人以上でも稼働率が低く、平均利用者数が1ヶ月300人以下となる場合は、小規模デイに分類されることになります。
人員基準で看護職員が実質不要
利用定員が10人以下の場合は、看護職員(看護師、准看護師)又は介護職員のいずれか1名以上を配置しなければなりません。
給料が高く、人材を探すのが大変な看護師を配置せずに、デイサービスを開業できるのが小規模デイが増えた要因の一つです。
民家を使った設備投資は最小限で開業が可能
デイサービスの設備基準は、食堂と機能訓練室を合わせた面積として、利用者1人当たり3㎡を確保しなければなりません。
民家であれば、食堂・機能訓練室として30㎡程度の面積は確保でき、風呂、トイレ、台所などの設備はあり、それをうまく利用すれば1,000万円以下で開業できます。
FCの増加で開業ノウハウが標準化
FCに加盟するためには多額の加盟金やロイヤリティーを払わなければなりませんが、まったく素人が介護事業に参入するリスクを考えるとFCに加盟するメリットはあります。
そのため異業種からデイサービスへ参入が容易になり、それが小規模デイ増加の一因になっています。
お泊りデイ、リハビリデイなど特徴を出しやすい
デイサービス以外の介護保険サービスは、決められ枠内でやっているので特徴がありません。
一方、デイサービスも決められた枠はありますが、その枠内で色々な特徴のあるサービスを提供することができます。
競争激化で稼働率が低迷して利用者が伸びない
定員10人超で開業したけれど競争激化で利用者が増えないため、平均利用者数300人以下となってしまったというところが結構あります。
以上の要因から小規模デイの事業所が、デイサービス全体の半分以上となっています。
この小規模デイは、2015年の介護保険の制度改正で市町村の許認可の地域密着型に移行するということになります。
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