2015介護保険制度改正 サ高住の住所地特例
こんにちは、大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
現在、サービス付き高齢者向け住宅には、住所地特例は認められていません。
従って、A市に住んでいた人がB市のサービス付き高齢者向け住宅に移り住んだ場合、B市が介護保険の負担をしなければならず、財政状態の厳しい市町村では、サービス付き高齢者向け住宅の登録を認めない動きがありました。
そこで、今回の改正案では、サービス付き高齢者向け住宅について、今まで通りA市が介護保険を負担するという住所地特例が認められます。
つまり、B市の住民であるが、介護保険に関してのみA市の被保険者になります。
ただ、介護や食事の提供が行われるなど、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅について住所地特例の対象とされ、安否確認と生活相談サービスだけのサービス付き高齢者向け住宅は対象外になっています。
地域密着型サービスや地域支援事業について
地域密着型サービスには、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、小規模多機能型居宅介護などがありますが、その提供されるサービスを受けられるのは、保険者証を発行した市町村からです。
従って、B市のサービス付き高齢者向け住宅に移り住んだ人はA市の保険者証を持っているので、B市の地域密着型サービスを受けられなくなります。
この問題についても住所地特例が認められる予定で、B市に移り住んだ人でA市の介護保険者証を持っている人でも、B市の地域密着型サービスを受けられるようになります。
また、今回の改正で要支援者が介護保険から切り離され、地域支援事業として市町村の許認可事業に移行されますが、これも同様にB市でサービス提供が受けられます。
後期高齢者の医療保険について
75歳になると、今までの健康保険から後期高齢者の保険に切り替わります。
この切り替わったとき、住所地特例が使えなくなるという問題がありました。
これについても住所地特例が使えるようになりそうです。
サービス付き高齢者向け住宅の今後の予測
住所地特例は、
- 介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設の3施設
- 介護付き有料老人ホーム(特定施設)
- 軽費老人ホーム(特定施設)
- 養護老人ホーム(特定施設)
について認められています。
しかし、今まで今回のサービス付き高齢者向け住宅の住所地特例のように、こんなに緩和された事例はありません。
病院や施設にいた重度者が自宅に戻されると大変なことになります。
サービス付き高齢者向け住宅の必要性は切迫しているのです。
国は住み慣れた自宅ではなく、住み慣れた地域(たとえばサービス付き高齢者向け住宅)をすすめています。
このような背景から、今まで整備されてこなかった地方都市もサービス付き高齢者向け住宅の整備が進むことが予測されます。
地方都市にとっては、サービス付き高齢者向け住宅が建つことによって、地元の下請業者の仕事が増え雇用も増えるので歓迎するでしょう。
この結果、サービス付き高齢者向け住宅がどんどん増え、有料老人ホームが厳しい状況になるかもしれません。
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