短期入所生活介護(ショートステイ)の在り方
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
短期入所生活介護(ショートステイ)は、本来、家族が急な法事や出張などのときに、預かってもらうための施設にもかかわらず、2~3ヵ月前に予約しないと入所できない実態があります。
短期入所生活介護に対する要望
そのため、短期入所生活介護に対する要望として「緊急時の受入」や「利用日程の柔軟な調整」といった緊急対応の要望が多くなっています。
短期入所生活介護の実態
短期入所生活介護は、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)に併設されています。
さらに、特別養護老人ホームには通所介護(デイサービス)が、介護老人保健施設には通所リハビリテーション(デイケア)が併設されていることがあります。
短期入所生活介護は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設の待機場所となっている実態があります。
たとえば、介護老人保健施設の場合 「クリニック⇒デイケア⇒ショート⇒老健」 という老健の営業の流れがあり、ショートが老健の空ベット対策に利用されている実態が一部にあります。
特別養護老人ホームについても 「デイサービス⇒ショート⇒特養」と介護老人保健施設と同じ流れがあります。
さらに、ショートを1ヵ月以上利用する状況があり、心身の状態の維持改善という観点から問題視されています。
「地域包括ケア研究会報告書」から
以上のようなショートステイの実態から、「地域包括ケア研究会報告書」において、次の点が指摘されてます。
- ショートステイを1カ月以上にわたって利用するような、ロング利用が見られる状況は、心身の状態の維持改善という観点からも不適切なサービス利用と言える。
- ショートステイのロング利用は、擬似的な施設入所、あるいは施設入所の待機場所となっている側面がある。
- ショートステイを利用した際にかえって自立度が低下し、在宅復帰が遅れる場合があるという指摘がある。
- ショートステイ利用者の在宅での生活や介護の状況を、日頃サービスを提供している居宅介護事業者とショートステイ事業者が十分に情報連携し、利用中のケアのあり方に十分配慮することが必要である。
- ショートステイに関しては、地域によっては、緊急時の受入体制が不十分であり、その強化を図るべきである。
「地域包括ケア研究会報告書」は、次回の介護保険制度の改正に、何らかの影響を与えると考えられます。
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