訪問介護事業と居宅介護支援事業を併設~開業相談事例から~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
先日、訪問介護事業の人員基準について、次の質問がありました。
【質問内容】
Aさん、Bさん、Cさんはそれぞれ資格を持っています。
- Aさんの保有している資格:介護福祉士、ケアマネジャー
- Bさんの保有している資格:介護福祉士
- Cさんの保有している資格:ケアマネジャー、ヘルパー1級
訪問介護と居宅介護支援事業を同時に開業したいのですが、A、B、Cの3人の持っている資格で開業できるでしょうか?
私は、次のように回答しました。
【回答内容】
「訪問介護事業又は居宅介護支援事業のいずれかを開業する場合は、人員基準を満たしていますので問題ありませんが、3人だけで両方を開業するには難しいで。」と答えました。
訪問介護事業の人員基準
AさんとBさんは介護福祉士、Cさんはヘルパー1級の資格を保有していますので、次の訪問介護事業の人員基準を満たしていますので問題ありません。
【訪問介護事業の人員基準】
必要な職種 | 資格要件 | 配置要件 |
---|---|---|
管 理 者 | 資格要件なし | ・常勤であること(同一敷地内の場合は、管理業務に支障のない範囲で他事業所等と兼務可) |
サ | ビ ス 提 供 責 任 者 | ①介護福祉士 ②実務者研修修了者 ③介護職員初任者研修課程修了者(④⑤を除く)であって3年以上介護等の業務に従事したもの ④介護職員基礎研修課程修了者 ⑤訪問介護員養成研修1級課程修了者(看護師・准看護師を含む) | ・常勤・専従であること(当該訪問介護事業所の管理者とは兼務可) ・利用者数が40又はその端数を増すごとに1人以上の人数を確保すること |
訪 問 介 護 員 | ①介護福祉士 ②実務者研修修了者 ③介護職員初任者研修課程修了者(介護職員基礎研修課程、1級課程(看護師・准看護師を含む)又は2級課程の修了者は初任者研修課程修了者とみなされる) | ・事業所ごとに、常勤換算数で2.5以上確保すること(訪問介護員等には、サービス提供責任者を含む) |
居宅介護支援事業の人員基準
AさんとCさんは、ケアマネジャーの資格を保有していますから、居宅介護支援事業の人員基準を満たしています。
必要な職種 | 資格要件 | 配置要件 |
---|---|---|
管理者 | 介護支援専門員の資格を有すること | 常勤職員1名 |
介護支援専門員 | 介護支援専門員の資格を有すること | 常勤職員1名以上 |
訪問介護事と居宅介護支援事業を併設できるか?
大阪府は、管理者の業務に支障がないとして他の従業者との兼務が認められる場合として例示しています。
次のアドレスから確認することができます。
http://www.pref.osaka.lg.jp/jigyoshido/shien/01oshirase-kenmu.html
居宅サービス事業所等に併設(居宅サービス事業所等と同一敷地内にある他の居宅サービス事業所等)する他の居宅サービス事業所等との管理者のみの兼務はできます。
例えば、訪問介護事業所の管理者と居宅介護支援事業との管理者は兼務することができます。
しかし、例えば居宅介護支援事業所の管理者兼介護支援専門員が、併設する訪問介護事業所の管理者やサービス提供責任者と兼務することはできません。
したがって、Aさん、Bさん、Cさんの3人だけでは、訪問介護事業と居宅介護支援事業を併設することはできません。
私は、まず3人で訪問介護事業を開業し早く軌道に乗せ、その後ヘルパーを募集して採用してから、次にケアマネジャーの資格を持っているAさんかCさんが抜けて居宅介護支援事業所を併設されることが良いのではないかと思います。
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