同一建物の訪問診療の報酬が激減したことにより、介護事業所に大きな影響

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

この4月から、訪問診療の報酬が大きく変わり、介護事業所を直撃しています。

すなわち、在宅時医学総合管理料(在総管) 、特定施設入居時等医学総合管理料(特医総管)について、同一建物における複数訪問時の点数が新設され、報酬が次のとおり大幅に減額されました。

「同一」と「同一以外」を比較していただくと、約4分の1に激減しているのがお分かりいただけると思います。

画像の説明

ターミナルケアを導入している介護事業所にとって、死活問題になっています。

今までは一度に何人も往診できて効率的であったので、協力してくれた病院がありました。

しかし、今回の訪問診療の報酬が激減したことにより、往診を断る病院が急増しています。

協力する病院がなくなった介護施設は、ターミナルケアで看取りができなくなります。

サービス付き高齢者向け住宅も同じです。

サービス付き高齢者向け住宅は、サービスの登録条件として、安否確認と生活相談が必須ですが、それだけでは差別化できず介護と医療のサービスを付加しているところがあります。

お医者さんの往診がなくなると、当初、約束していた医療サービスができなくなりクレームにつながる可能性があります。

厚生労働省にも言い分があります。

  1. 各部屋に訪問するのではなく、高齢者住宅の1Fにご利用者を集めて往診していた実態があること。
  2. 紹介業者に報酬の2割~3割を支払っていた実態があること。

各部屋に訪問せず、しかも2割~3割も払っていたのであれば、4分の1になっても問題ないのではないかというのが、厚生労働省の考えだと思います。

同一建物の訪問診療の報酬の減額は、紹介業者がお医者さんに高齢者住宅などを紹介して紹介料を取っていましたが、患者さんがお医者さんを選択できる自由を奪ってしまうことが問題視され、新聞などで指摘されたことがキッカケとなっています。

一方、紹介業者もしたたかで、お医者さんのチームを作り、1人1つの建物を往診できるように対策を練っているようです。




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