介護職員処遇改善加算の見直し

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護職員処遇改善加算は来年3月で終了しますが、4月以降も継続され、さらに現行の(Ⅰ)~(Ⅲ)の加算以外に新しい加算が創設され、積極的に処遇改善に取り組む事業所が評価されます。

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出典:第115回(平成26年11月19日)社会保障審議会介護給付費分科会資料

上の赤字で示された部分が、現行の算定要件と違うところです。

現行の介護職員処遇改善加算の算定要件と新設される加算

まず、現行の介護職員処遇改善加算の算定要件を見てみましょう。

次の通りです。

【現行の介護職員処遇改善加算の種類及び単位数、算定要件】
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出典:介護給付費分科会-介護事業経営調査委員会

上の算定要件をまとめますと、次のようになります。

加算の種類必須要件キャリアパス要件①キャリアパス要件②定量的要件
介護職員処遇改善加算(Ⅰ)いずれかを満たす
介護職員処遇改善加算(Ⅱ)いずれかを満たす
介護職員処遇改善加算(Ⅲ)×××
新設の加算新たな定量的要件○


現行の介護職員処遇改善加算の算定要件のうちキャリアパス要件は、

  1. 就業規則と賃金規程でキャリアパスを達成する方法(キャリアパス要件①)と
  2. もう一つ介護職員の研修費用の一部を負担する方法(キャリアパス要件②)
    の2つがあり、いずれの方法でもいいことになっています。

加算の金額も変わりません。

従って、ほとんどの在宅事業者は就業規則や賃金規程ではなく、研修費用一部を負担する方法を選択して処遇改善加算を算定しています。

理由は、介護報酬は3年間変わりませんが、賃金規程で定期昇給しなければならないからです。

事業所の経営が苦しくなるので、就業規則や賃金規程に踏み込んでいる事業所は少ないのです。

これが現実です。

新設の加算

今までと同じ処遇改善加算に、プラスして新しいものができます。

今は、就業規則や賃金規程で要件を満たすか、職員の研修費用の一部を負担して満たすかのどちらかです。

今回、出された内容は、どちらも満たす場合、処遇改善加算の算定率をアップします。

これをもって、7月28日の日本経済新聞に掲載されていた、介護職員1人あたり1万円程度の給料のアップになる算定率になります。

就業規則や賃金規程でキャリアパス要件を満たしている事業所は、介護職員の研修費用の一部を負担するだけで、この要件を満たすことができます。

これによって、処遇改善加算は今よりアップし1人あたり1万円程度、給料がアップします。

新規雇用にも有利になります。

ただ、小規模な事業所の多くは賃金規程を作ることに抵抗があります。

抵抗ある事業所は、今まで通りになります。

消費増税先送りでも処遇善加算は継続

介護職員処遇改善加算の継続は、もともと下の図の通り消費税の財源を活用して、介護従事者の確保のための事業に財政支援されることで計画されていました。

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出典:第115回(平成26年11月19日)社会保障審議会介護給付費分科会資料

介護給付費分科会の資料を見ると、今回の消費税の1年半の延期の影響はなさそうです。

予定通り、処遇改善加算は継続されることになります。

(ご参考)介護職員処遇改善加算に係る加算率

画像の説明
出典:第115回(平成26年11月19日)社会保障審議会介護給付費分科会資料



松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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