高齢者住宅の買物代行の注意点

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

一昨日のブログで、高齢者住宅の集合住宅減算逃れについて書きました。

今日のブログは、高齢者住宅で買い物代行が問題になった事例をご紹介します。

買物代行は訪問介護で可能か?

まず、本題に入る前にそもそも買い物代行が、訪問介護の生活援助に該当するかどうかという疑問があります。

訪問介護は、ご利用者の自宅に行ってサービスを提供するものであり、買い物代行は居宅外のサービスになります。

これについて、介護保険最新情報vol.267「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」に次の様に書かれています。

訪問介護においては、居宅において提供されるサービスとして位置付けられており、生活援助における「買い物」サービスを行う場合、訪問介護員等は利用者の自宅に立ち寄ってから、購入すべき食品又は日用品等を利用者に確認し、店舗に向かうこととしてきたが、前回訪問時あるいは事前の電話等により利用者から購入すべき商品を確認した上で、事業所等から店舗に向い、商品を購入後、利用者の居宅に向かうことができるものとする。
なお、この場合の訪問介護の所要時間については、店舗での買い物に要する標準的な時間及び利用者の居宅における訪問介護に要する標準的な時間を合算したものとすること。

上記の通り、買い物代行は訪問介護の原則である居宅内サービスではありませんが認められており

  1. 利用者の自宅に立ち寄ってから、買い物代行する場合だけでなく
  2. 事前に購入商品を確認すれば、商品を購入してから利用者の自宅を訪問することもできます。

真和会ヘルパーステイション桃山の取消理由

上記の通り、訪問介護の場合は利用者の買い物を代行しても、介護報酬の請求ができます。

ただし、訪問サービスは1対1のサービスで、1対複数ではありません。

指定取消になった真和会ヘルパーステイション桃山の場合は、職員が高齢者住宅に入居している複数の入居者の買い物代行を同時にしたのに、それを一人ひとりの買い物代行をしたとして介護報酬を請求していました。

しかし、一人ひとりの介護報酬として請求するため、職員が店舗と高齢者住宅を何度も往復するのは非効率であり、複数の入居者の買物をまとめてする方が効率的です。

そこで、介護報酬の制度を変更して、まとめて買い物しても介護報酬を請求できるとともに、その場合は減算することで対応する方が実態合った解決方法であるように思います。





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