事前通知なしの実地指導 デイサービスも対象

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

去年の秋口に、神奈川県川崎市のメッセージが運営する高齢者住宅から、3人の入居者が相次いで転落死するという事件がありました。

この事件は、その後大きな影響を与え、メッセージは損保ジャパンに買収されます。

また転落死の事故の後、全国各地で虐待の問題が報道されました。

その結果、厚生労働省は対策に乗り出し、実地指導を見直しました。

今まで実地指導は、だいたい行われる1ヶ月前に事前の通知が送られてきました。

「何月何日何時に実地指導をします。」という事前通知が、1ヶ月前に送られてきます。

事前通知なしの実地指導

介護保険施設等指導指針が、次の通り変更されました。

【介護保険施設等における高齢者虐待等に対する指導・監督の徹底と行政処分の厳格化について】

介護保険施設等の指導監督について(平成18年10月23日付け老発第1023001号厚生労働省老健局長通知)新旧対照表改正案

別添1介護保険施設等指導指針
(1)指導通知 都道府県及び市町村は指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により当該サービス事業者等に通知する。
ただし、指導対象となる事業所において高齢者虐待が疑われているなどの理由により、あらかじめ通知したのでは当該事業所の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知するものとする。

上記の文章の通り、「あらかじめ通知」から「実地指導開始時に通知」すなわち事前通知なしに実地指導が行われ、その時に通知する様に変更されました。

事前通知のない実地指導はデイサービスも対象

「介護保険施設等」とされているので、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム、略して「特養」)、介護老人保健施設(略して「老健」)、介護療養型医療施設の3つの介護施設が対象ではないかと思われるでしょうが、デイサービスなども対象になっています。

「介護保険施設」と書いてあります。

の中にはデイサービスなどがが含まれます。

変更された内容

何が変わったのか?

一般指導において、指導対象となる事業所で高齢者の虐待が疑われている場合、あらかじめ通知したのでは、その証拠が消される可能性があります。

そこで、事前通知なく指導開始時に文章により通知することになりました。

怖いのは行政の読み手によって、いくらでも拡大解釈されることです。

虐待の疑いがあると言えば、いくらでもできます。

真夜中の11時頃に、事前通知なしで実地指導があったそうです。

虐待は夜行われるからという理由です。




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