訪問介護の生活援助サービスを保険外とする理由
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では、軽度者のあり方ということで、訪問介護の生活援助サービスを保険外にするというテーマが選挙後、最初に上がってきました。
なぜ生活援助を保険外とすることを審議しているのでしょうか?
その理由を探ってみたいと思います。
生活援助サービスを保険外とする理由
厚生労働省は、なぜ生活援助を保険外とするのでしょうか?
その理由として、次の2つを挙げています。
- 介護給付費を抑える
- 人材不足
介護給付費を抑える
訪問介護はご存じの通り2つのサービス、身体介護(入浴、お手洗いのお手伝いなど利用者さんの身体に触りながら行うサービス)と生活援助(掃除、洗濯、料理)があります。
国はお金がないから制度のスリム化、重点化、効率化を進めていかなければならない。
そのためには、お金は重度の方に優先して回し、掃除、洗濯、料理の生活援助については、軽度者(要介護1,2)の方は介護保険外として総合事業でサービスの提供を受ける。
これが一つ目の理由です。
人材不足
二つ目の理由は、介護業界の慢性的な人手不足です。
募集してもなかなか応募者がない中で、専門家であり有資格者である介護福祉士が掃除、洗濯、料理をやっていていいのか?
今の介護保険制度改正の考え方は、ボランティアでもできることは介護保険から外し、介護保険サービスは専門家でないとできないことに集約していこうとしています。
掃除、洗濯、料理というのは、家政婦さんでもハウスキーパーさんでもボランティアさんでもできることです。
そういう部分は介護保険の中に入れず、介護保険から外して総合事業に移すという考え方です。
予防訪問介護と予防通所介護の2つは、去年の4月から来年の4月までの2年をかけて、総合事業に移行されている真っ最中です。
来年の4月になってら、すべての予防訪問介護と予防通所介護はすべての市町村事業に移行します。
今は要支援1,2の方を総合事業に移そうとしていますが、今回は訪問介護の生活援助について要介護1,2の方を総合事業に移そうというのが今回の原案です。