改正介護保険法審議の行方~福祉用具貸与の極端な価格差~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

7月20日に開催された介護保険部会で議論されたことに、福祉用具貸与の極端な価格差の問題があります。

この極端な価格差のことを「外れ値」と言います。

例えば、同じメーカーの同じ品番の全く同じ車椅子をレンタルしたとき、一般的な事業所は1割負担で1ヶ月の支払いは500円程度です。

ところがある事業者は、全く同じ車椅子なのに一ヶ月の支払い金額が2,000円とか3,000円ということがあります。

多くの事業者は、だいたい500円ぐらいなのに、極端に高い2,000円とか3,000円しても問題ないのでしょうか?

この様なことが現実ありますが、違法でありません。

「外れ値」が違法でない理由

なぜかというと車椅子自体の値段は当然同じですが、福祉用具貸与というのはレンタルするだけでなく、定期的なメンテナンスとかアドバイスとか修理など人手がかかる仕組みになっています。

車椅子本体の値段に、そこの事業所にかかる人件費とか色んな経費がかかり、事業所によって料金に差が生じるのは当然です。

したがって、「外れ値」であっても違法ではりません。

「外れ値」が違法でなくても、極端な価格差は問題

「外れ値」が違法でなくても、さすがに500円と2,000円との差のように、極端な差がありすぎることは問題です。

極端な価格差が可能な限り生じないようにするにはどうするか?

今回、出された意見は標準価格、すなわち公的な価格を決めたらどうかということでした。

今は自由価格ですが、国が料金を決めるということです。

多分、これは前から議論されていますので、標準価格、公的価格が導入される可能性はあります。

福祉用具貸与の価格差

次の図は、財務省の財政制度分科会(平成28年10月4日開催)で出された資料から引用したものです。

それによると

  1. 福祉用具に係る1か月(30日)当たり貸与額の地域差
  2. 同一製品の貸与価格(月額)の平均価格と最高価格の差
    の2つの視点から問題点を指摘しています。

画像の説明
出典:財政制度分科会(平成28年10月4日開催)資料

福祉用具に係る1か月(30日)当たり貸与額の地域差

上図の左側を見ると要支援1と2で地域差が大きく、例えば要支援1では、一番高い県が和歌山県で4,833円、一番低い県が新潟県で2,783円と2,049円の差があります。

同一製品の貸与価格(月額)の平均価格と最高価格の差

同一製品でもかなり価格差のあるものがあり、平均価格の10倍以上の最高価格を付けた品目が3種もあります。

例えば、特殊寝台の場合は平均価格が8,803円に対して、最高価格は100,000円と11.3倍の価格差があります。




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松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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