混合介護は、福祉用具貸与の介護保険法改正の議論を参考にすべき

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

厚生労働省は、混合介護の導入については消極的です。

21日に開催された規制改革推進会議では、公開ディスカッション(テーマ:介護サービスの提供と利用の在り方について)が開催されましたが、厚生労働省からは混合介護の導入に向けた積極的な発言はありませんでした。

厚生労働省は、混合介護を導入することによる

  1. 不明朗な形で料金が徴収されるおそれ
  2. 事実上保険外負担をしないとサービスが受けられなくなるおそれ
  3. 保険給付の範囲を越えたサービスが保険請求されるおそれ
    などの可能性を指摘し、慎重な姿勢です。

この様な厚生労働省の慎重姿勢を批判する意見もありますが、理解できる部分もあります。

福祉用具貸与は10倍以上の価格差のあるものがある

福祉用具貸与の貸与価格は他の介護報酬とは異なり、市場競争に委ねられており、貸与事業者が設定した価格を基準として、その9割(又は8割)が保険給付の対象となります。

このように福祉用具の貸与価格を貸与業者の判断に委ねた結果、同一製品であっても貸与業者間で貸与価格に大きな開きが生じ、利用者に不当な価格で貸与しているのではないかという問題が生じています。

この福祉用具貸与の価格差が生じたことから、厚生労働省が混合介護の導入することによって、利用者が不当な料金を徴収されるのではないかと危惧するのも理解できます。

福祉用具貸与の問題は介護保険法改正で改善へ

この福祉用具の貸与価格の問題については、介護保険法改正の議論において、

  1. 国がすべての商品の全国平均貸与価格を公表する仕組み作った上で、
  2. 貸与価格に一定の上限を設けることや
  3. 福祉用具専門相談員が利用者に貸与しようとする商品の全国平均貸与価格を説明すること、
  4. 機能や価格帯の異なる複数の商品の提示の義務化
    などの方向性が示され改善される見込みです。

厚生労働省は、この福祉用具貸与の改善の事例を積極的に混合介護にも採用するなどして、導入に向けてリーダーシップを発揮していただきたいと思います。




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