特養はプライバシーの配慮とニーズに即したケアが課題

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム、略して「特養」）の介護報酬改定において、介護給付費分科会が論点として挙げている一つとして次があります。

○ 介護老人福祉施設の入所者のプライバシーに配慮した上で、一人ひとりのニーズに即したケアを実現するために、どのような方策が考えられるか。

特養は、準ユニットケア加算算定施設を別分類すれば、次の様に5類型になります。

【介護老人福祉施設の居室類型】

出典：第143回社会保障審議会介護給付費分科会資料

プライバシーに配慮した上で、一人ひとりのニーズに即したケアを実現するためには、ユニット型個室やユニット型準個室が望ましいです。

しかし、これらの居室類型は居住費や食費、水道光熱費の利用者負担が他の居室類型に比べ高く、所得の低い人などは利用者負担の少ない多床室を希望する傾向にあります。

そこで厚生労働省は平成18年に、「準ユニットケア加算」を創設し、多床室においてもプライバシーの配慮がなされ、個別的なケアがなされているような配慮を行っています。

【準ユニットケア加算の算定要件と単位数】

出典：第143回社会保障審議会介護給付費分科会資料

今回の特養の介護報酬改定では、多床室に入所せざるを得ない低所得者にも、質の高い生活を確保するため、さらに準ユニットケア加算の要件を緩和するなどして整備をすすめていくのかが議論されると思われます。

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