訪問介護の開業の手引きNO.24~訪問介護事業と居宅介護支援の同時開業~【音声動画+テキスト】
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
動画
訪問介護事業と居宅介護支援事業の同時開業した場合について述べたいと思います。
同時開業のメリット
この同時開業のメリットとして次の2つが考えられます。
一つは新規利用者の獲得という点です。
自社の訪問介護・居宅介護支援事業所が作成するケアプランに組み入れるということによって、訪問介護事業の利用者獲得に大きく貢献できるという意味では同時開業のメリットがあります。
さらに事業所、同一の事業所において、訪問介護事業所とそれから居宅介護支援事業所があるわけですから、ケアマネさんの意向を訪問介護のヘルパーさんに早くそして正確に伝えることができますし、また逆にヘルパーさんから上がってきた利用者に関する情報をケアマネさんに早くそして正確に伝えることができるということで、メリットがあるというふうに思います。
そして居宅介護支援事業所を併設する場合、必要人員は介護支援専門員(ケアマネージャー略してとかケアマネさん)を1人追加するだけでいいということです。
事業所の必要な面積についても、訪問介護事業だけと比べると少し確保するだけでいいということで、開業資金がそれほど多くいらないという意味では、同時開業のメリットのひとつと考えていいかもわかりません。
ケアプランの適正化に向けた対策の強化
しかし一部の訪問介護事業所に併設している居宅介護支援事業所において、利用者の意向を無視したケアプランを作成するといった弊害が報告されています。
これについては平成30年度の介護報酬改定で対策がなされました。
それをちょっと見ていきたいと思います。
このスライドは平成30年度の介護報酬改定において、厚生労働省が提出した資料ですが、訪問回数の多いケアプランについて、市町村が確認して是正を行うという制度が新たに設けられました。
ここに書いてあります検証の実施というのが行われまして、保険者である市町村がケアプランを点検し地域ケア会議によるケアプランの検証を行った上で、必要に応じて利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用の観点から、サービスの内容の是正を促すと、このような新たなケアプランの適正化に向けた対策の強化が行われています。
特定事業所集中減算
自社の訪問介護事業にケアプランを集中しすぎると、特定事業所集中減算というのがありますので、これについて少し見ていきたいと思います。
特定事業所集中減算というのは、ケアマネ事業所が作成するケアプランが特定の事業所に集中するとそれは問題であるとして、特定のサービス事業所に集中する正当な理由がない場合、例えば訪問介護事業所はその地域で1か所しかないというのは特殊な事例ですけれども、そういった正当な理由はない場合には、集中割合が80%を超える場合に報酬を減算(1ヶ月200単位減算)するというような特定事業所集中減算というのがあります。
例えばAケアマネ事業所ではX訪問介護事業室に90%ケアプランに位置付けているというような場合にはこれは減算対象ですけども、Bケアマネの場合についてはX事業所に40%それからYに30、Zに30ということで、特定の訪問介護事業所に集中している割合は80%を超えてませんので、Bケアマネ事業所では特定事業所集中減算はありません。