ケアプランの適正化

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

昨日と一昨日のブログで、大阪府の課題として「ケアプランの適正化」が挙げられているということを書きました。

そこで、厚生労働省は「ケアプランの適正化」について、どのような取り組みをしているのかについ書きたいと思います。

それを知れば大阪府の対応が、どのように行われるか予想できます。

平成26年7月28日に開催された全国介護保険担当課長会議において、厚生労働省老健局資料の中に「ケアプランの適正化に向けた取組の推進について 」という項目があります。

ケアプランの適正化に向けた取組の推進について

厚生労働省は、ケアプランの適正化について次の現状と課題があると指摘しています。

画像の説明
出典:全国介護保険担当課長会議資料(平成26年7月28日)

そして厚生労働省は上の課題を解決するため、以下の取組を強化することが重要であり、各都道府県にさらなる取り組みを進めるように指導しています。

原文をそのまま掲載しています。

ケアプラン点検の強化

介護給付適正化に関して、ケアプランの点検を実施している保険者は995団体(63%)であり、保険者において、不適切な報酬算定等を発見し、是正させている事例もある。

介護給付の適正化はすべての保険者において取り組まれるべきものであり、ケアプラン点検においてもその更なる普及が望まれる。

保険者によっては、都道府県の介護支援専門員の職能団体に点検を委託している事例もあり、こうした取組も参考に取組を進めていただきたい。

また、近年増加が顕著である、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム等の高齢者向け住まいの入居者に焦点を当てたケアプラン点検等の実施も検討いただきたい。

国民健康保険団体連合会の介護給付適正化システムの活用の推進

ケアプランの適正化にあたっては、国民健康保険団体連合会の介護給付適正化システムを活用し、区分支給限度基準額の一定割合以上のサービスを利用している利用者が多い居宅介護支援事業所に対する指導等を行うことなども効果的であると考えられることから、国民健康保険団体連合会のデータを活用した介護給付の適正化にも取り組んでいただきたい。

上記以外にも、同一法人によるサービス提供の状況や特定の事業所に偏ったサービス提供の状況などが把握可能

③ 運営基準の再徹底
指定居宅介護支援の運営基準においては、指定居宅介護支援事業者や管理者が特定の事業者によるサービスを利用するよう指示を行ってはならず、特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その 他の利益 を収受してはならないと規 定されているところである。

不正事例については指定の取消等を含めた行政処分がなされるものであり、運営基準について再度、周知徹底していただきたい。

高齢者向け住まいに対する適切な指導

サービス付き高齢者向け住宅は、①状況把握・生活相談サービスの義務付けにより、入居者の心身の状況に応じて介護サービス等と連携するための環境の確保や、②入居者の状態に応じ、訪問介護など外部の居宅サービスを利用することにより、高齢者が安心して暮らすことができる住まいである。

この際、「介護保険サービス」を提供する介護事業者と、「住まい」及び「住まいに関連するサービス(食事の提供、生活支援など)」を提供する住宅事業者については、母体となる法人が同一かどうかに関わらず、それぞれ別の事業であることに留意し、それぞれの規定に基づいた指導監督を適切に進める必要がある。

先般、地方ブロックごとに実施した「高齢者向け住まいに関する意見交換会」(H25.11~H26.1)において、特定の事業者による介護保険サービスへの誘導を目的とした囲い込みに対する懸念や、更には、そのような場合に介護保険サービスの提供が過剰となっている疑いが あるといった指摘がなされたところである。

こういった外部サービスの利用を妨げる行為や、過剰サービスの提供によって利用者負担を増大させるような事案については、必要に応じて、以下のような規定による対応を行っていくことが必要である。

「高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針(平成 21 年8月19 日厚生労働省・国土交通省告示第1号)」においては、住宅事業者に対して、他者による介護サービス等の利用を妨げないことなどを求めていることから、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成 13 年法律第 26 号)」第 25 条第2項の規定に基づき、基本方針に適合させる観点で改善に向けた指示を行うことが可能である。

また、食事の提供などにより有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅については、「老人福祉法(昭和 38 年法律第 133 号)」第 29 条第 11 項の規定に基づき、入居者の利益を害する行為をしたと認めるときには、改善命令を行うことが可能である。

高齢者の居住の安定確保に関する法 律及び 老人福祉法の規定を踏 まえ、サービス付き高齢者向け住宅及び有料老人ホームに対する指導監督権限を有する都道府県・指定都市・中核市においては、サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホームを運営する事業者に対して、効果的な指導を進めることをお願いしたい。

一方で、これらの高齢者向け住まいの入居者が、サービスの利用に際して居宅介護支援を利用する場合、ケアプランの適切な策定が不可欠であるが、特定の事業者による介護保険サービスへの誘導を目的とした囲い込みへの対応については、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成 11 年厚生省令第 38 号)」第1条第2項・第3項の規定において、利用者の心身の状況等に応じた利用者本人の選択に基づくサービス提供体制の確保や、特定の居宅サービス事業者の利用に偏らないようにすること等が求められていることを踏まえて、居宅介護支援事業所に対する適切な指導も合わせてお願いしたい。




a:1554 t:1 y:0