デイサービス開業にあたって、フランチャイズへの加盟と独自で開業するかどちらが良いでしょうか?(大阪市生野区:40代男性)
こんにちは!大阪の介護専門税理士 松本会計事務所 副所長の高田純です。
デイサービス開業にあたっては、独自で開業するほかに、知名度の高い介護事業者や地域の中堅どころの事業者のフランチャイズへ加盟するという方法もあります。
知名度の高さやノウハウを活用でき、宣伝や集客などでバックアップしてもらえる点で失敗が少ないように思え、フランチャイズへの加盟を検討されている方もいらっしゃると思います。
そこで、一般的に言われているフランチャイズ加盟のメリットとデメリットを確認し、独自開業といずれが良いか比較してみましょう。
フランチャイズ加盟のメリット
1. 開業のための支援が受けられる
デイサービスを開業するにあたって
・準備すべき施設や設備が、パッケージ化されて提供される
・開業から事業運営までのノウハウが得られる
・本部によるサポートが得られる
などのメリットがあります。
介護経験が少ない方や、事業運営が初めての方、異業種からの参入でも失敗が少ない方法といえるでしょう。
2. 人材・利用者獲得支援や情報提供を受けられる
介護人材不足の中で厳しい人材確保についても、本部が主導となって採用や教育を行ってくれるケースもあります。
利用者集めや人材確保のために、今の時代に不可欠となっているホームページについても、加入するとすぐに本部のホームページの一覧に掲載してもらえたり、事業所専用のページを用意してもらえる場合もあります。
介護に関する最新情報や介護技術を指導してもらえるほか、経営相談やアドバイスが得られる点もメリットです。
3. 会員同士で情報交換できる
加盟している会員同士の情報交換ができ、困ったことがあった際に、別の会員のやり方を学ぶ、真似するなどお互いの助け合いも可能です。
フランチャイズ加盟のデメリット
1. ロイヤリティの負担が大きい
単独で法人設立をするのとは違い、加盟金やロイヤリティの負担が発生します。ロイヤリティの相場は売上の5~10%と言われています。
2. 看板で集客できるとは限らない
コンビニやファミレス、ドラッグストアなどと比較すると、介護事業の場合、必ずしも名称が集客に結びつくとは限らない点に注意しましょう。
介護事業は“人”が商品と言えます。そのため、小売業や飲食業とは性質が大きく異なり、商品が目に見えません。
フランチャイズといっても、画一的でどこでも同じサービスが受けられるとは限らないため、利用者がフランチャイズのメリットを見出すのが難しい側面があります。
また、市区町村によって、利用者のニーズや運営のルールが違うこともあるので、地域のニーズに合わせた工夫をし、その地域に根差したサービスを提供することも必要です。
3. 介護事業は一度経験すれば、アドバイスを受けなくてもできるようになる
介護事業は一度経験すれば、フランチャイズのアドバイスを受けなくてもうまく進められるケースも多いです。
上に挙げたメリットとデメリットは、一般的に言われていることですが、フランチャイズによってサービスの内容にかなり差があるとも聞いています。
※加盟を検討される場合は、充分にサービスの内容を確認して下さい。
最後になりますが、事業を始める限りは、自ら行動し、自ら道を切り開いていく意識がないと、フランチャイズに加入しても成功するのは難しいのではないでしょうか。
加入すれば成功すると思わず、『少し近道を行ける』ぐらいの気持ちで利用するか、まずは自分で行動する意欲を持つことが大切です。