デイサービスを開業するのに初期費用は大体どれくらいかかりますか?(大阪市生野区:20代男性)
こんにちは!大阪の介護専門税理士 松本会計事務所 副所長の高田純です。
デイサービスを開業するために
デイサービスを開業する際の初期費用は
どのくらいの規模で運営するのか?
地域ごとに異なる物価などの相場
選んだ物件の状況
設備や備品は新品で購入するのか?
リースにするのか?
などで、大きく差が出ます。
ここでは一般的なケースとして、【10名~15名程度の比較的小規模なデイサービス】を前提に見ていきます。
開業にあたって主にかかる費用と一般的な相場
まず、法人設立費として8万円~30万円ほど、物件を借りる保証金や、手数料が物件によって20万円~100万円ほど必要です。
重要となるのが、デイサービスを開業するにあたって設備基準をクリアするための改修工事費です。
改修工事費は150万円~500万円ほどが見込まれますが、物件の状態によっても異なります。
たとえば、居抜き物件のようにもともと介護施設であったような場合や、保育所など類似した物件であると、改修費をおさえることが可能です。
また、改修が必要な場合でも、工夫をすることで費用削減が可能になる場合もあります。
物件を選ぶ際には、以下のような点に気を付けましょう。
水回り
一から設置しなければならない場合は、初期投資がかなり高額になる場合があります。水回り、排水などが整備されていることは大きなポイントです。
厨房
デイサービスのコンセプトとして、”食事を充実させる”のも一つの方法ではありますが、厨房設備にこだわってお金をかけすぎたり、人件費をかけすぎると毎月の返済や運営費の負担が大きくなります。
特に、20名以下の小規模のデイサービスの場合は、調理要員の人件費は重くのしかかってきます。経営のシミュレーションをする段階で、食事をどう提供していくかを考えて物件を選ぶことが必要です。
独自で食事を提供する以外にも
食事のアウトソーシング
高齢者の配食業者を利用する
地域の弁当屋と連携する
など様々な選択肢がありますので、広い視点で検討してみましょう。
消防設備の設置
”消防法の改正”により、宿泊を提供するデイサービス等の施設でも、スプリンクラーや自動火災報知設備など、消防設備の設置が厳しく求められるようになりました。
自分で、全て設置するとなると多額の費用がかかるうえ、消防署の許可がおりないためにデイサービスが開設できなかったり、開業を延期しなければならないことがあります。
物件選びにあたっては、消防法の確認がとれているかを契約前に確認しておくことが必要です。
※余談になりますが、スプリンクラーなどの消防設備は借りる物件だけでなく、物件1棟の全ての部屋に消防設備が求められますので、ご注意ください。
その他に、設備費としてテレビやパソコン、机や椅子、冷蔵庫などの購入に80万円ほどかかります。
送迎用の車両の準備も必要です。7~8人乗れるワンボックスカーの購入費として300万円程度、質の良い中古車なら100万円~150万円程度に抑えることもできます。
人材募集のための求人広告費や、研修費として30万円~50万円が見込まれますが、無料のハローワークなどを活用することで、抑えることは可能です。
上記の他に、賃料や人件費、リハビリ機器のリース料など、月々必要となる当面の運営資金も含めて、少なくとも800万円程度は見ておきたいところです。
<初期投資が必要な費用例>
・法人設立費 | 8~30万円程度 |
・物件取得費用 | 20~100万円程度 |
・改修工事費 | 150~500万円程度 |
・設備費 | 80万円程度 |
・車両費 | 100~300万円程度 |
・人材獲得費用 | 30~50万円程度 |
・当面の運転資金 (3か月分) | 360万円程度 |
上記はあくまでも一例です。
開業する地域や規模、選ぶ物件の状態、また、サービスのコンセプトによっても必要な費用は大きく異なりますので、開業にあたってはしっかりと【事業計画】と【資金計画】を立てましょう。